福祉介護事業の経営者・施設長のためのメルマガ通信第13号

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2019/07/17 福祉介護事業の経営者・施設長のためのメルマガ通信第13号

 

 

こんにちは。

 

福祉マネジメントラボの大坪信喜です。

 

 

 

鬱陶しい天気が続いています。

 

テレビでは、この時期の日照時間としては、記録的に短く、野菜への深刻な影響が

 

出始めていると報じていました。

 

 

皆様の地域ではいかがでしょうか。

 

 

今月も皆様とのご縁に感謝してメルマガをお送り致します。

 

 

 

「福祉介護事業の経営者・施設長のためのメルマガ通信」第13号

 

 

 

 

私が住んでいます横須賀市で、診療科28科417床の総合病院の移転話が進んでいます。

 

その移転計画に対して、周辺の商店街を中心に反対運動が起きています。

 

 

この病院の歴史は古く、明治時代は陸軍病院として、その後、国立病院となり、

 

独立行政法人に転換した後、現在では、市の指定管理で運営委託されています。

 

病院として、ここに100年以上も存在していますので、病院を中心に商店街も発展

 

してきたという歴史もあって、移転計画は、この商店街にとって死活問題なわけです。

 

地方都市のご多分に漏れず、横須賀市内もシャッター街が多くなっていますが、

 

ここの商店街は、その病院のおかげでほとんどの店舗が営業しています。

 

 

毎日、最寄りの駅やバス停から相当数の職員がその病院まで通ってきますので、

 

途中にあるセブンイレブンはいつも盛況です。

 

ただ、もし移転してしまったら、セブンイレブンの売上も恐らく半減する

 

のではないかと感じています。

 

 

 

皆様方が経営されている特養や介護施設も、この病院のように地域経済を支えている

 

側面もあるのではないでしょうか。存在自体がすでに地域貢献ともいえます。

 

 

 

 

 

さて、今日はある社会福祉協議会の経営改善事例についてお話ししたいと思います。

 

この社会福祉協議会では、昨年度、行政から650万円の補助金削減が断行されました。

 

事業収入2億5千万のこの社協さんにとって、650万円の補助金削減とは、2.6%の減収を

 

意味します。

 

また、近年は赤字続きで内部留保の取り崩しで凌いで来ましたが、

 

補助金削減を機に抜本的な経営の見直しが急務となり、

 

弊社へのコンサル依頼となりました。

 

 

 

当初は、嘱託職員の昇給額見直し等による人件費削減を想定されて

 

いたようですが、私は、最初から人件費の削減は選択肢には入れていませんでした。

 

 

確かに人件費率は76%を超えていましたので業界相場からみて、賃金を下げても

 

良いのですが、そうすると職員のモチベーション低下は否めません。

 

今後の経営改善に向けて、今までやったことのない事にも

 

取組んで頂かなくてはなりませんので、職員のモチベーション低下は

 

どうしても避けたかったわけです。

 

まず手始めに、直近の平成29年度決算の経営分析を行ないました。

 

 

 

市町村社会福祉協議会が実施している地域福祉事業は、社協会費や補助金で

 

賄われていますが、昨今の補助金削減基調により、地域福祉事業の人件費が賄えず、

 

多くは介護保険事業の収益から補填するという形を取っています。

 

 

 

この社協さんも同じ構造で、介護保険事業の収益から本体の赤字を埋める構造でしたが、

 

2つの内、1つのデイサービスは赤字でした。しかも定員規模が大きい方の

 

デイサービスの方が赤字という困った状態でした。

 

 

 

直近の決算書では、介護保険事業全体の収支(利益)は2.3%でしたので、

 

補助金削減により、2.6%の減収になるということは、介護保険事業の利益分が

 

全部失われることを意味します。

 

早急な改善のための処方箋が必要でした。

 

 

 

財政の基本は、「入るを量りて、出るを制す」と言われます。

 

収入が減った以上、「出るを制す」・・・つまりコスト削減が必要になりますが、

 

一番簡単で安易な人件費削減は選択肢にありません。

 

 

 

そうした前提から、人件費以外の三大コストである食材費、水光熱費、

 

業務委託費の見直しに取りかかりました。

 

最初、電気水道代の削減について模索しましたが、管轄行政との契約で電気水道代には、

 

手をつけられないことが分かってきました。

 

そこで年間100万円以上の支出である燃料代と保険料と給食の業務委託費

 

の削減にターゲットを絞りました。

 

燃料代とは灯油のことですが、寒冷地のため年間にすると結構な量を消費します。

 

実際、何年か前、その社協の事務局次長が単価の高い近隣の業者を止めて、

 

単価の安い大手との取引を提案したことがあったそうですが、

 

色々な抵抗があり、立ち消えになった経緯がありました。

 

 

しかしながら、今回は外部の分析、提案でもありましたので、業者の変更が了承され、

 

事務局次長がスムーズにことを運んでくれました。

 

おかげで年間の灯油代は262万円削減できる見通しです。

 

 

今年の4月実績からの予測値ですから、11月~3月の寒冷期は、計算に入っていません。

 

それを換算すると恐らくもっと削減額は増えることでしょう。

 

 

 

次に保険料です。これも今まで掛けていたものなので、一つでも止めてしまうことに

 

抵抗がありましたが、「それなら給料を減らしますか。」と問い質した所、

 

事務局次長が率先して保険代理店を呼んで、見直しを掛けてくれました。

 

その結果、66万円の削減が実現しました。

 

 

 

最後に給食の業務委託費です。給食業者の管理委託費の構造は、積み上げです。

 

単に調理員の人件費というだけでなく、研修費や業務連絡費、

 

さらには業者の利益率10%までが委託費に計上されています。

 

当然、最後に消費税が掛かっています。

 

 

添付ファイルに給食の業務委託費の積算構造を付けておきますのでご覧になってください。

 

 

当初、給食委託業者の管理費の削減を目論み、業者に見積もり依頼をお願いしましたが、

 

人手不足もあり、逆に現行よりかえって高い見積書が出てきました。業者も強気です。

 

 

そんなある日、経営会議のメンバーから給料は下げないのだから、

 

職員に頑張ってもらって給食を自前にしたらどうかという意見が出されました。

 

実際、開設当初は、自前で給食を提供していたそうです。

 

 

そこで自前給食へ舵を切ることに決定し、プランを練ることになりました。

 

また、例の事務局次長にシミュレーションをお願いしました。

 

するとシミュレーションでは、なんと年間約100万円のコストダウンになる見通し

 

が示されました。

 

 

問題は、栄養士と調理員の確保ですが、その給食業者で働いている調理員が一部、

 

移籍してくれることになり、また、タイミング良く介護施設で給食の管理業務を

 

経験した事のある栄養士を採用することができました。

 

こうした求人や採用についても事務局次長が積極的に動いてくれました。

 

 

お陰で、給食業者との契約が3月末で切れるというギリギリのタイミングで、

 

新年度の4月1日から自前給食をスタートさせることができました。

 

これによるコストダウンが約100万円です。

 

 

自前給食に転換していなかったら、業者の見積もり通り、新年度からは更に

 

100万円余り高い管理費を払うことになっていたことでしょう。

 

つまり、自前給食にする事で実際には200万円のコストダウンにつながった訳です。

 

 

 

結局、最終的には、対前年度と比較して430万円余りのコストダウンに成功しました。

 

430万円は、実際のコンサル報酬に対して約7倍の成果です。

 

 

コンサルを導入して成果を出すには、依頼元の法人との二人三脚が必須です。

 

 

コンサルは月1回の訪問で方向性を示し、課題を明示し、役割分担を決めて取組んでもらい、

 

次月にその進捗を確認して、次へと進みます。

 

 

ここで、法人サイドが課題に対して何も動いてくれないと前に進めません。

 

 

月1回2時間、6~7万円のコンサル報酬では、時間的にも費用的にも

 

コンサルが何から何までやることは不可能なのです。

 

 

コンサル主催の経営改善会議で合意形成した課題に対して、法人サイドが取組んで

 

次回までに何かしら持ってきてくれることで前に進めます。

 

今回のケースでは、事務局次長が、正にそのキーマンでした。

 

 

何かしらの理由で今までできなかったことを、コンサルを入れて取組むことで、

 

コンサル費用の7倍の成果が出せるか、

 

法人サイドが何も取組まずに、コンサル費用のみが出ていってしまうか、

 

顕著な違いとなって表れます。

 

 

コストダウンに取組むことで法人サイドの役職員に数字への意識を上げてもらい、

 

次にマーケティングや現場のサービスを見直すことで稼働率を上げてもらう。

 

これが環境変化に強い体質変換につながります。

 

 

コストダウンは、あくまで補助金削減や使い切る運営体質からの脱却に向けた、一処方箋

 

に過ぎません。

 

 

今回もコストダウンはあくまで補助金削減分をカバーするという目的で行ない、

 

将来の安定経営には稼働率の向上による収入増を同時に進めました。

 

これについては、また何かの機会にお話しします。

 

 給食管理委託費の内訳表

 

 

 

 

 

 

 

以上、何かのご参考になれば誠に幸いです。

 

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

 

次の第14号は8月10日頃に配信致します。

 

 

 

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