手段が目的化する日常風景

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手段が目的化する日常風景

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2022/01/10 手段が目的化する日常風景

今年も年明け早々、いくつかの県でまん延防止等特別措置(まんぼう)が

 

発令されました。昨年の今頃とまるで同じ風景です。

 

確か昨年、前首相が「これが最後の緊急事態宣言だ」と言っていたような

 

気もしますが、感染が拡大するたびに、相変わらず緊急事態宣言やまんぼう

 

繰り返すつもりなんでしょうか。

 

目的は、感染者数の減少や死亡者数の減少だと思いますが、緊急事態宣言

 

やまんぼうといった手段が、いつの間にか目的化しているようにしか思え

 

てなりません。これは、私だけの偏った見方でしょうか。

 

 

問題事象に対して、対処方針を掲げて計画を立てることには、何ら異論

 

ありませんが、果たして、それがPDCAでマネジメントされているか

 

どうか、そこが重要だと思うわけです。

 

特に”C”部分のチェック(検証)が欠けているように思えてなりません。

 

 

昨年の緊急事態宣言が解除されたのは、ウイルスが自然に減って、結果

 

PCR陽性者数も減ったことでしかないように感じられるのです。

 

手段が検証されない限り、今後も同じことが何度も繰り返されることでしょう

 

 

 

翻って、われわれの現場ではどうでしょう。手段が目的化していないでしょうか。

 

たとえば、経費や水光熱費が増大して、赤字になってしまった、あるいは利益を

 

圧迫しているという問題が表面化すると、コストダウン委員会を立ち上げましょう

 

というようなことなります。

 

しかし、コストダウン委員会を立ち上げただけで、成果が出ているかどうか、

 

そこが検証されないことも少なくないのではないでしょうか。

 

1年12回、委員会を開催したが、コストは減らない。却って増えていたりします。

 

手段であるはずの委員会が、いつの間にか委員会を開催することが目的化して

 

しまい、開催していることで満足してしまう。やっている感を演出してしまう。

 

検証がなされないため、仮に成果が出ていなくても、決まったこととして

 

必ず定例で月1回開催される。

 

緊急事態宣言やまんぼうと本質的に同じものを感じます。

 

 

また、職員研修はどうでしょう。

 

目的は、職員の育成ですが、真の目的は、職員の仕事ぶりや働きぶりが

 

変わることです。それによって、職場風土が改善されることです。

 

この目的がしっかりと押さえられていないと研修という手段が目的化して

 

いきます。

 

その研修(手段)を実施して離職が減ったか、職員のモチベーションは

 

上がったか、生産性が向上して稼働率が上がったか、結果、利益は増えたか。

 

その検証が必要ではないでしょうか。

 

 

人材育成のためには、研修が大事だというだけで、通り一遍の研修をして

 

研修という手段が目的化してしまったら、職員の仕事ぶりや働きぶりが変わ

 

たり、職場風土が改善されて、離職が減ったりすることはありません。

 

研修という名の付くものを何かしら開催すれば、それでいいというわけでは

 

ないと思います。

 

 

 

役所(厚労省)の運営基準に則って、運営だけしていると、この落とし穴に

 

はまるのではないか。私はそのように考えています。

 

この加算を取るためには、○○委員会を設置して月1回以上開催すること。

 

厚労省の運営基準は、このようにいいます。体制要件です。

 

体制さえ整えていれば、プロセスは問いません。

 

 

そもそも世の中の経済活動は、ストラクチャー(体制)があり、その次に

 

プロセス(do、check、action)があって、はじめてアウトカム(成果)

 

につながります

 

 

役所の体制要件に慣らされた結果、多くの法人施設で手段が目的化して

 

しまっているのではないか。私はそのように考えています。

 

今回は、「手段が目的化する日常風景」ということについて書いてみました。

 

以上、皆様のご参考になれば、誠に幸いです。

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

 

 

次の第44号は、2月10日頃に配信致します。

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