変革に向かう時、職員が入れ替わる

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変革に向かう時、職員が入れ替わる

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2023/08/10 変革に向かう時、職員が入れ替わる

 

日頃、皆様には、職員の定着、離職率の低減を訴えていますが、一口に離職

 

と言っても、良い職員、頑張ってくれていた職員が辞めていくケースと

 

いわゆる人罪、法人組織にとって困った存在が辞めていくケースの二つがあ

 

と思います。

 

同じ離職率でも良い職員が辞めて行った結果なのか、それとも人罪、困った

 

存在が辞めて行った結果なのかでは、その意味は全然違うのではないでしょ

 

うか。

 

経営者の皆様には、法人にとって宝である良い職員が辞めたのか、そうでは

 

なく、長い目で見たら辞めてもらって良かった職員なのか、その見極めをし

 

て、仮に辞めて行かれても長い目で見たら良かったと思える職員が辞めたこ

 

で離職率が上がっているとしたら、あまり悲観される必要はないのではな

 

でしょうか。

 

随分前になりますが、私には印象に残っているある出来事があります。

 

都内のある特養からコンサルの依頼があって、私が行くことになりました

 

常務理事や施設長といった経営層と数回の打ち合わせを行って、方向性が

 

大体固まったので、ある日、その施設の主だった職員さんに集まってもらい

 

ました。そして、集まってくれた職員さん達の前で、今後、コンサルとして

 

いくつかの取組を通して、この施設をこのように変えていきたいと考えてい

 

ますので、皆さんご協力をお願いしますというような話をした覚えがありま

 

す。

 

それから1カ月経って、定例のコンサルでその施設にお伺いすると、法人の

 

常務理事が近づいて来られて、第一声。

 

「どんなことを言っても絶対辞めなかったあるナースが、辞めるって言って

 

きたんですよ。それだけで、もうコンサルを頼んだ価値がありました。」

 

と、そのような話をされました。

 

今まで自分勝手に、ある意味好き放題やってきた職員さんにとっては、外の

 

風が入ってきて、何か変革に向かっていくことを感じると、自分の今までの

 

働き方が通用しなくなる、自分の居場所がなくなるという事で、このように

 

あっさり辞めて行かれることがあります。

 

今いる職員さんが辞めて行かれることは、財政的に見た場合、人材募集の

 

費用が掛かったりして、決して良いことではないと思いますが、組織が変革

 

に向かおうとする時、陰に陽に抵抗する職員が辞めて行き、新しい職員に入

 

れ替わることは、決してマイナスではないのではないか。その時、そう感じ

 

た記憶があります。

 

のある経営者は、人には変わって欲しいと考えて研修を行ったり、福利厚

 

生を充実したり、様々な施策を講じられています。

 

しかしながら、長年その環境に甘んじて、変われない人を変える努力をする

 

より、人を替える方が早い時もあるような気がしています

 

私のクライアントのある法人では、新しい施設長が赴任されて、開設以来25

 

年掛けて出来上がった組織風土の悪い部分を変えていかれようと、日々奮闘

 

されています。

 

組織人、社会人としてのベースとなる考え方を植付けようとして、私に研修

 

を依頼して下さっています。また、職員が空いた時間に視聴できるようにと

 

ビデオ研修を採り入れて、接遇やリスクマネジメントの研修を受講させてい

 

ます。

 

また、従業員満足を高めるということで月2回無料で自由に使える自動販売

 

機を設置したり、職員の休憩室を改装して、落ち着いて休憩が取れるスペー

 

スを整備されたりしています。

 

ところが、一部の職員からはこんなに研修が多いと負担が増えて大変だ。前

 

のように何もなかった時の方が楽でよかった。こんなに大変だと辞めたくな

 

るというような意見が聞かれると言います。

 

一方で、この変革に取組み始めた後から新しく入ってきた職員さんからは、

 

私も実際、その場にいて聞いていましたが、「これだけ多くの研修の機会を

 

与えてくれて法人に感謝している。自分を成長させてくれるこのような施設

 

で働けて嬉しい。」というような言葉を嬉しそうに語ってくれます。

 

果たして、どちらの職員が法人の発展に貢献してくれるでしょうか。未来は

 

決して見通せませんが、後者のマインドを持った職員の方が法人に貢献して

 

くれると考えた方が自然ではないでしょうか。

 

 

組織風土改革のためのコンサルの一環で、職員さんに意識調査を行うことが

 

あります。「あなたにとって、この法人施設はどのような存在ですか。」と

 

の質問に対して、「給料を得る場、それ以上でもそれ以下でもない」という

 

回答をしてくる職員さんがおられます。

 

「食うためだけに働く虚しさ」理想論かもしれませんが、職業を選択して、

 

社会で働く以上、自分が食うためだけ、自分の家族を養うためだけの働き方

 

は虚しいだけだと私は信じています。

 

当然、働かなければ食えませんので、食い扶持で働くことすべてを否定する

 

つもりはありませんが、そのうちの1割か2割は、自分と自分の家族以外の

 

法人のため、社会のためを思って働くことが職業人の務めではないでしょう

 

か。

 

私が敬愛する松下幸之助さんも「使命感半分、給料半分」と仰っています。

 

半分の5割とは言わないまでも、1割か2割は使命感で働く人たちと一緒に

 

仕事ができたら、どんなに楽しい職場か。

 

組織変革の過程で、食い扶持だけで働く人から、職業意識や使命感を持った

 

人たちに少しずつでも入れ替わっていくことが、この業界の発展には欠かせ

 

ないような気がしています。

 

 

 

今回は、「変革に向かう時、職員が入れ替わる」というテーマでてみ

 

した。

 

以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第63号は、9月10日頃に配信致します。

1.内容は、興味がもてますか?
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3.その他、感想、希望テーマ等

差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見

くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。

※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく

お願い申し上げます。

 

 

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