積小為大

福祉マネジメントラボ

046-890-0856

〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77

積小為大

メールマガジン

2024/07/10 積小為大

積小為大(せきしょういだい)とは、二宮金次郎が残した言葉

 

です。皆様、二宮金次郎という人をご存じでしょうか。

 

私と同世代の人なら、例の背中に薪を背負って、本を読んでいる

 

姿の銅像が、小学校の校庭などに立っていたので、ご存じの方も

 

いかと思いますが、40代前の方は、ご存ない方もいらっし

 

るかもしれません。

 

私事ですが、今の仕事を引退したら寺子屋を開いて、近所の子供

 

たちに日本の歴史や偉人たちの足跡を語って聞かせたいと考えて

 

おりまして、今年から少しずつこの国の歴史上の偉人の勉強を

 

めています。

 

その中で、将来、子供たちに伝えたいと思う偉人の一人に二宮

 

金次郎がいます。

 

二宮金次郎は、今から300年ほど前、現在の神奈川県小田原市

 

の裕福な農家に生まれましたが、子供の頃、近くを流れる酒匂川

 

が氾濫して、二宮家の田んぼは、そのほとんどが流されてしまい、

 

それから非常に困窮した生活を送ることになります。

 

私が敬愛する松下幸之助も和歌山の大地主の子供として生まれ

 

したが、父親が米相場で失敗し、土地、家屋敷全部取られてしま

 

い、幼くして、大阪に丁稚奉公に出されています。

 

ある人が「業種はさまざまながら、一道を極めた人たちの共通項

 

の一つが、人生の前半期に逆境や困難に遭遇していること。そして、

 

その逆境や困難を運とツキで乗り越えていることです。」と、ある

 

書かれていますが、歴史に名を残すような偉人は、天に選ばれて、

 

人生の前半期に逆境や困難に遭遇する」ものなのでしょう。

 

 

さて、極貧生活の中で二宮家が一家離散すると、金次郎は叔父の家に

 

居候することになりますが、そんな窮屈な生活の中でも、ある工夫を

 

み重ねることで、二宮家がかって所有していた広大な田んぼのすべ

 

てを買い戻すことに成功します。

 

 

その工夫とは、最初は本当に些細なことから始まりました。

 

捨ててあった苗を拾い集めて、これまた捨てられていた田んぼに植え

 

たのです。そして、それを大事に育てることで秋には一俵約60㎏の

 

お米が収穫できたといいます。金次郎は、そのお米を売って貯金し、

 

貯金が貯まるとそれを元手に田んぼを買い増して、そして同じように

 

を植え、育てました。そうしたことを繰り返すこで、約10年後に

 

は、かって、生家が所有していた広大な田んぼをすべて買い戻すこ

 

ができたといいます。

 

このことが評判となり、全国様々な農村から立て直しを依頼されるよう

 

になり、最終的には600カ所の農村を立て直したと言われています。

 

日本中に多数の餓死者を出したと言われるあの天保の大飢饉の頃のお話

 

です。

 

こうした経験を通して、金次郎は「積小為大」という言葉を唱え始めます。

 

「積小為大」=”小さなことの積み重ねがやがて大きな成果となって結実

 

する”

 

金次郎は、この真理を現代の私たちに教えてくれているように思います。

 

金次郎の影響かどうかは分かりませんが、現代の日本の偉人の一人でも

 

あるイチローさんも「小さなこと重ねることが、とんでもない所へ

 

く唯一の道」という言葉を語っておられます。

 

さて、このことをわれわれの経営に当てはめて考えるとどうでしょうか。

 

日々、利益が積み重なるように毎日の収支管理を疎かにしない。そのため

 

には、余計な支出が出ないように、日日の在庫管理を行う。

 

必要な収入を確保するために利用者確保のための営業活動をコツコツと

 

行う。こうしたことが疎かにされないと小さなことが少しずつでも積み

 

上がって行く。

 

こうした足元をしっかりと固めることなく、やれマーケティングだ、

 

やれブランディングだ、などと浮足立っている経営者をみることが

 

ありますが、果たして成果が出るのでしょうか。

 

職員教育も同じことだと思います。職員研修で習ったことを小さなこ

 

とでも実践してみる。結果が出るまで個人個人がやってみる。

 

能力開発は、繰返し繰返しの反復練習しかないと言われます。

 

こうした地道な継続を疎かにして、次から次に新しいカリキュラム

 

受講させても、恐らく何も身に付かないのではないでしょうか。

 

全国色々と見ていると、今、こうした落とし穴にはまっている法人

 

施設が少なくないように思います。

 

以上、今回は「積小為大」ということについて書いてみました。

 

皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第74号は、8月10日頃に配信致します。

1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等

差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見

くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。

※反対意見、賛成意見、ご感想やご意見は、当方の励みになり

ますので、是非宜しくお願い申し上げます。

 

福祉マネジメントラボ

電話番号 046-890-0856
住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77

TOP