046-890-0856
〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
継続は力…ある法人の実践から学んだこと
先月の26日、弊社の顧問先でもある法人の研究発表大会に招かれ
て和歌山県に行ってきました。この法人では、毎年、この時期に
母体である医療法人と同じグループの社会福祉法人合同での研究
発表会を開催されていて、もう30年以上も継続されています。
今年のテーマは「地域共生」ということで法人職員、来賓合わせ
て120名以上の方が参加されました。
私自身、今回が2度目の参加でしたが、今年の研究発表では、私
が6年間係わらせて頂いている「月次実績会議」についての発表
があるということで期待と不安とが入り混じった中での参加とな
りました。
ここで「月次実績会議」について補足の説明をしておきます。
A4一枚のフォーマットを使って、特養やデイサービス等の1カ月
間の「ヒト・モノ・カネ」の動きを把握して、なおかつ、目標達成
への進捗管理にも使える管理ツールで、一般には管理会計と呼ばれ
ているものです。
特養などで目標とする稼働率、離職率、収支差額率(利益率)等の
経営指標を毎月の実績と対比しながら、なぜその結果となったのか、
そのプロセスを吟味検討し、修正改善を加えることで目標を達成して
いく会議体のことをこの法人では「月次実績会議」と呼んでいます。
今回、この「月次実績会議」を6年間続けた結果を研究発表大会で
発表してくれたわけですが、正直、想像を超えた素晴らしい発表で
私も大変感動しました。
この月次実績会議は、平成30年10月に始まり、令和6年10月時点
でちょうど丸6年、70回(月1回開催)を数えます。
導入前と導入後で何が変わったのか。数字を見て頂くのが分かり易
いので、まずは、プロセス指標の数字をお示ししたいと思います。
平成30年度 入院日数:1,299日
令和5年度 入院日数: 636日 51%減
平成30年度 空床日数:1,584日
令和5年度 空床日数: 706日 55%減
平成30年度 退居から新たな入居までの平均日数:24日
令和5年度 退居から新たな入居までの平均日数: 5.5日 77%減
上記のような現場プロセスの改善が、結果稼働率向上、収入増に
なることはご承知の通りだと思います。
稼働率!稼働率!といくら叫んでみても、現場がこのプロセスを
改善してくれない限り、稼働率や売上収入が上がることはありま
せん。
平成30年度 特養ショート合算稼働率:96.3%
令和5年度 特養ショート合算稼働率:98.8% 102%増
平成30年度 年間累計収入:298,959千円
令和5年度 年間累計収入:312,576千円 105%増
彼ら現場は、この月次実績会議を通して「自分達が報告した数字
が何を意味して、そこから何を考え、どのようなアクションにつ
なげていくのか、自分達で考えながら主体性を持って行動するこ
との重要性について実感、体現してくれました。
こうしたことを体感すると、今度は自分の施設だけという縦割り
の閉じた考えから、他の施設・事業所がやっている良いところも
水平展開して法人全体に浸透させていこうという新たな発想が生
まれてきます。
さらには、次世代の職員にも現場と数字をつなげることができる
ようになって欲しいと、会議に出席させて勉強してもらおうとい
う動きも出てきます。正に組織が良い方向に動き出した時の感覚、
点と点がつながって線となり、さらには面となっていく。これを
今回の発表では、見事に実感できました。
発表された方は看護師ですが、現在70名定員の特養の副施設長の
立場の方です。7年前、私の管理職研修を受講する際に初めてお
会いしましたが、その時は、正直、現場オンリーの専門職で、管
理職としてのマインドとスキルをこれから身に着けてもらう必要
が大いにあるなと感じました。同時に、場合によっては、現場の
専門職としてのマインドから脱皮できないかもしれないなという
危惧も感じたものですが、7年経った今、現場を巻き込んで数字
を作れる、つまり経営が分かる素晴らしい管理職へと成長されま
した。これが継続を力にする人材育成なんだなということをこの
法人と彼から教えて頂きました。
私が感動したことは、正にこの一点に尽きます。
彼は、発表の最後をこう締めくくってくれました。
「この月次実績会議が「VUCA]の時代、行先が不透明で将来の予測
が困難な時代を乗り切るチカラを養う場になっている。」
単なる専門職ではなく、組織全体の行く末を考えられる本当の管理職
の言葉ではないでしょうか。
私にはそのように感じられて嬉しくてたまりませんでした。
次の第78号は、12月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか? 2.疑問点、ご意見はありますか? 3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※反対意見、賛成意見、ご感想やご意見は、当方の励みになり
ますので、是非宜しくお願い申し上げます。
福祉マネジメントラボ
電話番号 046-890-0856 住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
24/11/09
24/10/13
24/09/27
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先月の26日、弊社の顧問先でもある法人の研究発表大会に招かれ
て和歌山県に行ってきました。この法人では、毎年、この時期に
母体である医療法人と同じグループの社会福祉法人合同での研究
発表会を開催されていて、もう30年以上も継続されています。
今年のテーマは「地域共生」ということで法人職員、来賓合わせ
て120名以上の方が参加されました。
私自身、今回が2度目の参加でしたが、今年の研究発表では、私
が6年間係わらせて頂いている「月次実績会議」についての発表
があるということで期待と不安とが入り混じった中での参加とな
りました。
ここで「月次実績会議」について補足の説明をしておきます。
A4一枚のフォーマットを使って、特養やデイサービス等の1カ月
間の「ヒト・モノ・カネ」の動きを把握して、なおかつ、目標達成
への進捗管理にも使える管理ツールで、一般には管理会計と呼ばれ
ているものです。
特養などで目標とする稼働率、離職率、収支差額率(利益率)等の
経営指標を毎月の実績と対比しながら、なぜその結果となったのか、
そのプロセスを吟味検討し、修正改善を加えることで目標を達成して
いく会議体のことをこの法人では「月次実績会議」と呼んでいます。
今回、この「月次実績会議」を6年間続けた結果を研究発表大会で
発表してくれたわけですが、正直、想像を超えた素晴らしい発表で
私も大変感動しました。
この月次実績会議は、平成30年10月に始まり、令和6年10月時点
でちょうど丸6年、70回(月1回開催)を数えます。
導入前と導入後で何が変わったのか。数字を見て頂くのが分かり易
いので、まずは、プロセス指標の数字をお示ししたいと思います。
平成30年度 入院日数:1,299日
令和5年度 入院日数: 636日 51%減
平成30年度 空床日数:1,584日
令和5年度 空床日数: 706日 55%減
平成30年度 退居から新たな入居までの平均日数:24日
令和5年度 退居から新たな入居までの平均日数: 5.5日 77%減
上記のような現場プロセスの改善が、結果稼働率向上、収入増に
なることはご承知の通りだと思います。
稼働率!稼働率!といくら叫んでみても、現場がこのプロセスを
改善してくれない限り、稼働率や売上収入が上がることはありま
せん。
平成30年度 特養ショート合算稼働率:96.3%
令和5年度 特養ショート合算稼働率:98.8% 102%増
平成30年度 年間累計収入:298,959千円
令和5年度 年間累計収入:312,576千円 105%増
彼ら現場は、この月次実績会議を通して「自分達が報告した数字
が何を意味して、そこから何を考え、どのようなアクションにつ
なげていくのか、自分達で考えながら主体性を持って行動するこ
との重要性について実感、体現してくれました。
こうしたことを体感すると、今度は自分の施設だけという縦割り
の閉じた考えから、他の施設・事業所がやっている良いところも
水平展開して法人全体に浸透させていこうという新たな発想が生
まれてきます。
さらには、次世代の職員にも現場と数字をつなげることができる
ようになって欲しいと、会議に出席させて勉強してもらおうとい
う動きも出てきます。正に組織が良い方向に動き出した時の感覚、
点と点がつながって線となり、さらには面となっていく。これを
今回の発表では、見事に実感できました。
発表された方は看護師ですが、現在70名定員の特養の副施設長の
立場の方です。7年前、私の管理職研修を受講する際に初めてお
会いしましたが、その時は、正直、現場オンリーの専門職で、管
理職としてのマインドとスキルをこれから身に着けてもらう必要
が大いにあるなと感じました。同時に、場合によっては、現場の
専門職としてのマインドから脱皮できないかもしれないなという
危惧も感じたものですが、7年経った今、現場を巻き込んで数字
を作れる、つまり経営が分かる素晴らしい管理職へと成長されま
した。これが継続を力にする人材育成なんだなということをこの
法人と彼から教えて頂きました。
私が感動したことは、正にこの一点に尽きます。
彼は、発表の最後をこう締めくくってくれました。
「この月次実績会議が「VUCA]の時代、行先が不透明で将来の予測
が困難な時代を乗り切るチカラを養う場になっている。」
単なる専門職ではなく、組織全体の行く末を考えられる本当の管理職
の言葉ではないでしょうか。
私にはそのように感じられて嬉しくてたまりませんでした。
次の第78号は、12月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
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ますので、是非宜しくお願い申し上げます。
福祉マネジメントラボ
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