046-890-0856
〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
福祉介護事業は一般産業の100倍の社会的価値がある
介護離職により、働き盛りの人が働けなくなった場合の経済
的損失が話題に上るようになりました。ご本人、ご家族の経
済的損失は言うまでもありませんが、今後、介護を理由とし
た離職がさらに増えれば、日本のGDPのさらなる低下、さら
には、労働生産性の低下にもつながるかもしれません。
そのように考えますと福祉介護事業の存在価値は極めて大き
いものと言えるのではないでしょうか。
思い起こせば、コロナ禍の数年間、飲食店をはじめ多くの事業
所、業種が自粛要請で休業していた時期でも福祉介護事業は休
止することは許されませんでした。現場で働く職員さん達は、
感染の恐怖と戦いながら、日々利用者を受入れ、利用者サービ
スを提供し続けてくれたわけです。
コロナ騒動の最中、新聞やニュース、その他の媒体では経済的
あるいは精神的理由で自殺する人や住宅ローン破綻、離婚、一
家離散などのニュースが流れていましたが、もし、この国に福
祉介護事業がなかったとしたら、こうした悲惨な出来事はもっ
ともっと増えていたのではないでしょうか。
私は、今から16~7年ほど前、日本生活協同組合連合会(日生
協(COOP))のコンサルティングをしていました。
生協のスーパーマーケットは、全国至る所にありますので、全国
展開の企業のように感じられますが、実際は県単位の独立採算の
会員制組織でして、全国合わせると約1000のスーパーマーケ
ットがあり、宅配を加えた売上が3兆円近い巨大な事業体です。
加えて、訪問介護、通所介護等の介護保険事業の売上も100億
円以上あり、これらの全事業を束ねているのが日生協であり、こ
の日生協から依頼されて生協の介護保険事業の収益改善のコンサ
ルティングを3年間行いました。
何年目かは忘れましたが、ある時、全国の介護保険事業の責任者
を集めた研修会で、日生協の担当役員が冒頭のあいさつで以下の
ような話をされました。
「介護保険事業は大きな赤字を抱えているが、われわれは福祉事
業から撤退することは考えていない。なぜなら、この福祉事業は
生協の理念そのものであり、何よりもわれわれの主要事業である
スーパーマーケットのような一般の産業と比べて100倍の社会
的価値があるからだ。」と。
私は驚きと感動をもってその話を聞いていた覚えがあります。
「一般の産業と比べて100倍の社会的価値がある。」まるで、
今回のコロナ禍での福祉介護事業の存在価値を予見したような言
葉ではないでしょうか。
今でも「3K」と言われて「介護だけには行くな。」と生徒に教
える学校教諭もいると聞きます。
会社四季報をみるとトヨタ自動車が従業員1人当りの売り上げが
7900万円。一方、私が全国で行っている経営分析の結果によ
ると福祉介護事業所は平均600~700万円。優良事業所であって
も800万円程度です。当然、製造業と対人サービス業では、売上
に対する人の占める割合が全く違うわけですから単純な比較はで
きませんが、あえて比較すると福祉介護事業はトヨタ自動車の10
分の1ということになります。しかしながら、日生協の担当役員
の言葉通り、100倍の社会的価値があるとするなら、職員一人
当たり6~7億の社会的価値があるということになります。
コロナ禍真っ只中のあの頃の日本を振り返った時、この言葉は、
決して大げさな誇張ではなく、真実と言えるのではないでしょうか。
3年間のコンサルティングを経て、生協の福祉介護事業は、ほぼ
黒字化しましたが、福祉介護事業の経営者は、この「一般産業と
比較して100倍の社会的価値がある」という志を胸に、黒字によ
る健全経営を行いながら、事業継続を図っていくことが、次にや
って来るパンデミックで再度、国民を救うことにつながるのでは
ないか。私はそのように考えています。
以上、皆様のご参考になれば誠に幸いです。
1.内容は、興味がもてますか? 2.疑問点、ご意見はありますか? 3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※反対意見、賛成意見、ご感想やご意見は、当方の励みになり
ますので、是非宜しくお願い申し上げます。
次の第81号は、3月10日頃に配信致します。
福祉マネジメントラボ
電話番号 046-890-0856 住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
25/02/10
25/01/11
24/12/12
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介護離職により、働き盛りの人が働けなくなった場合の経済
的損失が話題に上るようになりました。ご本人、ご家族の経
済的損失は言うまでもありませんが、今後、介護を理由とし
た離職がさらに増えれば、日本のGDPのさらなる低下、さら
には、労働生産性の低下にもつながるかもしれません。
そのように考えますと福祉介護事業の存在価値は極めて大き
いものと言えるのではないでしょうか。
思い起こせば、コロナ禍の数年間、飲食店をはじめ多くの事業
所、業種が自粛要請で休業していた時期でも福祉介護事業は休
止することは許されませんでした。現場で働く職員さん達は、
感染の恐怖と戦いながら、日々利用者を受入れ、利用者サービ
スを提供し続けてくれたわけです。
コロナ騒動の最中、新聞やニュース、その他の媒体では経済的
あるいは精神的理由で自殺する人や住宅ローン破綻、離婚、一
家離散などのニュースが流れていましたが、もし、この国に福
祉介護事業がなかったとしたら、こうした悲惨な出来事はもっ
ともっと増えていたのではないでしょうか。
私は、今から16~7年ほど前、日本生活協同組合連合会(日生
協(COOP))のコンサルティングをしていました。
生協のスーパーマーケットは、全国至る所にありますので、全国
展開の企業のように感じられますが、実際は県単位の独立採算の
会員制組織でして、全国合わせると約1000のスーパーマーケ
ットがあり、宅配を加えた売上が3兆円近い巨大な事業体です。
加えて、訪問介護、通所介護等の介護保険事業の売上も100億
円以上あり、これらの全事業を束ねているのが日生協であり、こ
の日生協から依頼されて生協の介護保険事業の収益改善のコンサ
ルティングを3年間行いました。
何年目かは忘れましたが、ある時、全国の介護保険事業の責任者
を集めた研修会で、日生協の担当役員が冒頭のあいさつで以下の
ような話をされました。
「介護保険事業は大きな赤字を抱えているが、われわれは福祉事
業から撤退することは考えていない。なぜなら、この福祉事業は
生協の理念そのものであり、何よりもわれわれの主要事業である
スーパーマーケットのような一般の産業と比べて100倍の社会
的価値があるからだ。」と。
私は驚きと感動をもってその話を聞いていた覚えがあります。
「一般の産業と比べて100倍の社会的価値がある。」まるで、
今回のコロナ禍での福祉介護事業の存在価値を予見したような言
葉ではないでしょうか。
今でも「3K」と言われて「介護だけには行くな。」と生徒に教
える学校教諭もいると聞きます。
会社四季報をみるとトヨタ自動車が従業員1人当りの売り上げが
7900万円。一方、私が全国で行っている経営分析の結果によ
ると福祉介護事業所は平均600~700万円。優良事業所であって
も800万円程度です。当然、製造業と対人サービス業では、売上
に対する人の占める割合が全く違うわけですから単純な比較はで
きませんが、あえて比較すると福祉介護事業はトヨタ自動車の10
分の1ということになります。しかしながら、日生協の担当役員
の言葉通り、100倍の社会的価値があるとするなら、職員一人
当たり6~7億の社会的価値があるということになります。
コロナ禍真っ只中のあの頃の日本を振り返った時、この言葉は、
決して大げさな誇張ではなく、真実と言えるのではないでしょうか。
3年間のコンサルティングを経て、生協の福祉介護事業は、ほぼ
黒字化しましたが、福祉介護事業の経営者は、この「一般産業と
比較して100倍の社会的価値がある」という志を胸に、黒字によ
る健全経営を行いながら、事業継続を図っていくことが、次にや
って来るパンデミックで再度、国民を救うことにつながるのでは
ないか。私はそのように考えています。
以上、皆様のご参考になれば誠に幸いです。
1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※反対意見、賛成意見、ご感想やご意見は、当方の励みになり
ますので、是非宜しくお願い申し上げます。
次の第81号は、3月10日頃に配信致します。
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