就業規則は教育ツール

 

 

皆様は、就業規則をどのような場面で活用されているでしょうか。

 

入職時に説明している、入職時に配布している、等々。

 

私は、就業規則は、健全な職場風土を醸成するための教育ツールだと

 

考えています。

 

 

そもそも、職場風土は、どのようにして醸成されていくのでしょう。

 

あらゆる職場は、ほぼ例外なく、秩序（ルール順守）とコミュニケーションの二つの組合せ

 

で醸成されるものだと思います。

 

 

以下に、その概念図をお示しします。

 

組織風土

 

このマトリックスでお示しした通り、秩序（ルール順守）がなければ、烏合の衆か、

 

仲良しクラブです。

 

この両者は、いずれも風通しの悪い、不健全な職場風土といえます。

 

ですから、健全で理想的な職場風土には、秩序（ルール順守）が欠かせません。

 

 

さて、就業規則は教育ツールという話をしましたが、これは就業規則を活用することで

 

健全な職場を作るという意味です。

 

就業規則には、「服務規律」があります。

 

従業員が守るべき規範、義務について書かれています。

 

 

福祉介護施設・事業所の服務規律は、以下のようなものが一般的ではないでしょうか。

 

（服務心得）

職員は法人の従業員として、自己に与えられた業務を誠実に履行し、人格の形成に努力するとともに

併せて知識・技能の習得に努め、常に次の事項を遵守し、職務に精励しなければならない。

（１）常に健康に留意し、積極的かつ明朗闊達な態度で担当業務及び命令指示された業務に精励すること。

（２）自己の業務上の権限を超えて、専断的な行為を行わないこと。

（３）上司や先輩職員の指示命令に素直に従い、職場の和を乱さないこと。

（４）職場の整理整頓に努め、常に清潔に保つこと。

（５）就業時間中職場を離れる時は、所属長の許可を得ること。自己判断によりみだりに職場を離れないこと。

（６）法人の所定の届出や手続きなどを怠らないこと。

（７）常に品位を保ち、法人の名誉を害し、又は信用を傷つけるような行為を行わないこと。

（８）法人の業務上の機密及び不利益となる事項を家族も含めて他に口外しないこと。

 

要するに「服務規律」とは、・職員としてどのような心構えで働かなくてはならないか、

 

・勤務時間中守らなくてはいけないこと・身なり服装はどうあるべきかなど、

 

知らない者同士が、ひとつの組織で気持ちよく働いていくためのルールを取り決めたものです。

 

 

私は、新人研修や職員研修の中で、この服務規律を読み聞かせ、また、これについてグループ

 

ワークを行ってもらいます。

 

中には初めて読んだという参加者も少なくありません。

 

こうした就業規則の研修を通して、職場のルールを理解してもらい、併せて、現場で実践する

 

ようにお願いしています。

 

また、リーダー層の職員には、現場で何か起きたときは、この就業規則をガイドラインにして

 

部下スタッフを指導育成してほしいと伝えています。

 

 

こうした研修を何年か続けていくうちに、「烏合の衆」や「仲良しクラブ」だった組織が、

 

「理想的な組織」へと少しずつ変わっていきます。

 

 

古代ローマのある哲学者は

 

「雨だれが石を穿（うが）つのは、激しく落ちるからではなく、何度も落ちるからだ。」

 

という言葉を残しています。

 

即効性のある魔法は有りません。

 

 

就業規則を教育ツールの一つに加えて、繰り返しの研修を行い、浸透させていきながら、

 

離職の少ない健全な職場風土に一歩ずつ近づけていく努力が必要です。

 

ここでも自分たちのスタッフに予算と時間を使う必要があります。

 

 

以上、何かのご参考になれば誠に幸いです。

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

次の第４０号は10月10日頃に配信致します。

以上、
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