拡大発展する法人組織とは

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2022/04/11 拡大発展する法人組織とは

コンサルという仕事柄、常々法人企業の組織機構というものに、興味関心

 

抱いています。

 

創業から10年、15年経って着実に大きくなっていく法人企業と

 

そうでない法人企業とでは何が違うのか。

 

今日は、そのことについて考えてみたいと思います。

 

 

松下幸之助師が創業した松下電器(現パナソニック)は、最初は奥さんと

 

奥さんの弟さんとの3人だけの小さな町工場から始まりました。

 

本田宗一郎氏が創業した本田技研(現ホンダ)も最初は小さな自動車修理

 

工場で、本田宗一郎氏は、毎日ミカン箱の上に乗って、朝礼で「世界一に

 

なるぞ。」と檄を飛ばしていたといいます。

 

京セラの稲盛和夫氏は、間借りした工場で、たった一人でセラミックの

 

研究開発始めたと聞きます。

 

その当時、そのような小さな町工場、会社がたくさんあったわけです。

 

しかし、何年たっても小さいままの企業や倒産していく会社がある一方で

 

拡大発展していく松下電器や本田技研工業や京セラという会社があります。

 

 

確かに、大きくなることだけが発展とは言えないにしても、事業の拡大が

 

発展のひとつの姿であることは、間違いないと思います。

 

 

われわれの業界でも施設や事業所が年々増えていき、また、それに応じて

 

従業員も増え、結果として売り上げや利益が増大して、法人企業は大きく

 

なっていきます。

 

利益が増えれば、設備投資のために借りた借金を返済し、残った利益は

 

新たな設備投資や従業員の処遇向上に充てることができます。

 

従業員としても年々処遇が向上すれば、働き甲斐も生まれるでしょう。

 

大きな法人企業に勤めているという安心感も生まれると思います。

 

 

それでは、そのような事業拡大のサイクルには、何が必要になるので

 

しょうか。

 

やはり、まずは経営層に拡大発展に対する熱意があるかどうかが重要

 

なポイントではないかと思います。

 

今のままで良いと思えば、施設を増やしたり、新しい事業を始めたり

 

するエネルギーは生まれてこないのではないでしょうか。

 

 

次に、組織としての基盤がしっかり構築されているかどうかが大事だと

 

思います。

 

つまり、会社としての体をなしているかどうか。

 

言葉は悪いですが、何年たっても小さいままの企業には「会社ごっこ」

 

しているようなところも少なくありません。

 

これは福祉介護業界に限ったことではなく、一般の民間企業にもよく

 

見かけるところです。

 

専務や常務や部長といった役職があっても、その序列が何ら機能して

 

いないような組織もたくさん見てきました。

 

私は、法人企業が拡大発展していくためには、組織のヒエラルキー

 

が確立されていることが重要になってくると考えています。

 

経営層、現場監督層、一般スタッフの三層構造で組織運営が確立して

 

いる。そのヒエラルキーの中で、レポーティングラインが守られていて

 

責任の所在が明確なっていることが、事業の拡大発展には欠かせない

 

ように思うのです。

 

組織にも、建物でいう所のこうした基礎構造が必要です。

 

私は、このベースがない中で、アメーバ経営やマトリックス組織など

 

といってみても機能するはずがないと考えています。

 

 

次に、ある程度、施設や事業所が増えてきたら本部機能が必須になる

 

と考えています。

 

施設が1つ2つと増えていったとしても、個々の施設が各々の施設長

 

のカラーだけで運営されているとしたら、規模のメリットは生まれな

 

いと思うわけです。

 

たとえ一法人複数施設であっても、横軸が通っていない、単に施設が

 

単独で個々に存在しているだけの法人もこの業界では少なくありません。

 

 

私が知るある社会福祉法人は、現在100億円規模の法人ですが、施設

 

が一つだけの時から本部機能を備えていました。

 

ちなみに、本部機能で必要になる費用は、収入の3%程度が妥当ではない

 

かと考えます。

 

20億円規模の法人ですと年間6千万円ということになります。

 

 

福祉介護事業の場合、現場の看介護スタッフにばかりお金を掛けますが、

 

経営管理機構にもそれなりの投資をしないと事業の拡大発展は進まない

 

と思います。

 

収入の3%位のお金を掛けて、採用や人事、予算、決算といった経営管理

 

機構を本部が統括することで規模のメリットが生まれるのではないでしょ

 

うか。

 

 

さらには、欠員補充の中途採用オンリーから新卒の定期採用ということも

 

重要なだと思います。

 

欠員補充の中途採用ばかりだと職場は安定しません。結果、施設が増えても

 

生産性が上がりません。

 

松下電器や本田技研、京セラという拡大発展していった企業は、小さい時

 

から新卒採用にこだわっていました。

 

 

以上述べてきましたシステムなり考え方は、高度経済成長時代の工業社会

 

で確立されたものですので、古い考えだと思われる方もいらっしゃるかも

 

しれませんが、われわれの福祉介護事業は、今流行りのオンラインでは難

 

しく、従業員が1箇所に集まってサービスを提供することが生業ですので

 

工業社会と類似する点が多々あります。

 

われわれの業界での拡大発展を考える場合、これまでお話しして来たような

 

工業社会時代のシステム考え方も採り入れる価値が十分にあるのではない

 

しょうか。

 

 

以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第47号は、5月10日頃に配信致します。

 

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