046-890-0856
〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
存在理由
社会生活や経済活動にあれ程甚大な影響を与えた新型コロナも最近は、日常
生活においては、話題になることも随分少なくなりました。
当然、皆様の現場では、警戒を緩めるわけにはいかないと思いますが、一般
には、人々の意識からは少しずつ、薄れて来ているのではないでしょうか。
思い起こせば、3年前の2020年3月。志村けんさんが新型コロナでお亡くな
りになったというマスコミ報道辺りから、日本全国が、この新型コロナの恐
怖に覆いつくされた感があります。
その頃から、私の仕事も軒並みキャンセルになりました。
それまでは、三日と空かずに新幹線や飛行機で全国を飛び回っていて、もう
還暦を過ぎて、いつまでこの仕事をしていられるだろうかと、ふと不安にな
る位のハードスケジュールをこなしていましたが、「不要不急」「ステイホ
ーム」というスローガンが声高に叫ばれるようになって、スケジュールはほ
ぼなくなり、私はすっかり暇になってしまいました。
と同時に、自分の存在は「不要不急」なんだと考えるようになって、自分の
そして自分のコンサル事務所の存在理由というものに改めて向き合うことに
なりました。今までは対面が当たり前の世界で、それ以外の方法など考え
たこともなかったのですが、対面は全て禁止で県外への移動も禁止になって
しまうとコンサルや講演の仕事は全てできなくなります。
「自分の存在とは、一体なんだろう。」、「自分は社会に必要とされていな
いのか。」この問いが、グルグル頭の中をかけ巡った日々を思い出します。
そんな時、運よくある出版社から本の出版の依頼が来て、その執筆に3カ月
程、忙殺されることになり、その間、その苦しい思いから一時的に解放され
ることができたのは、とても幸運なことでした。
あれがなかったら、もしかしたら鬱になっていたかもしれません。
さて、私には人生でもう一度、自分の存在理由を見つめ直す機会というか、
事件がありました。今から15年以上前の50歳になった時、出張先で大量の
吐血をして、その地方の病院に緊急搬送されたことがあります。
後で分かったことですが、胃潰瘍で胃の中を通っている動脈をその潰瘍が傷
つけてしまい、そこから出血していたとのことでした。
前の晩は何ともなく、日曜日でしたので、外で食事をして普通に就寝したの
に、翌日の朝になると水洗トイレが一杯になるほどの大量の下血がありまし
た。たった一晩の出来事です。
何か変だなと思いつつ、一瞬出張するのをためらいましたが、大事なコンサ
ルの最終報告会議でしたので、何としても今日一日乗り切ろうと思い、出か
けることにしました。
するとその報告会の半ば、途中休憩が入った時に全く動けなくなり、今度は
口から大量吐血をして、救急車で病院に運ばれました。
たまたま特養の中でしたので、職員さんが迅速な対応をして下さり、最短で
治療を受けることができました。今、思い返しますとあの時、道端で倒れて
いたとしたら、自分で救急車も呼べない状況でしたので、そのまま手遅れに
なって、今はこの世にいないのではないかと時々考えることがあります。
長年懇意にして下さっていた特養だからこそ、私は助かったのだと今でも
感謝しています。
ただ、病院に運ばれたからと言っても、それで終わりではありませんでし
た。内科的内視鏡手術で穴が開いた動脈をクリップで留める手術を施されま
したが、動脈の血流の勢いが強すぎて、そのクリップを弾いてしまい、ずっ
と出血したままの状態が続いてしまったのです。
その間、3回にわたるクリップ留め手術を受けましたが、その都度、動脈が
クリップを弾いてしまい、状態はどんどん悪化して行きました。
そんな時、例の三途の川とはちょっと違う体験をしました。日めくりカレン
ダーが猛スピードでめくれていき、その間、自分の子供の頃から今までの一
生がパッシャ、パッシャとスライド映写のようによみがえる経験をしたので
す。それを見てから、私は死を意識しました。今は生死半々の状態だという
事を自覚したことをはっきり覚えています。
最終的には、クリップが完全に留まって出血も収まりましたので、それから
は日に日に回復して、10日足らずで無事退院することができました。
ところが、無事退院はしたものの、このことをきっかけにして、私の人生が
大きく変わってしまい、あの時、死んでしまった方が良かったと思うような
出来事に遭遇しました。
その時、正に今回のテーマである自分の存在理由について、初めて向き合う
ことになったのです。「私はなぜ生きているのか。」、「あの時、なぜ生
かされたのか。」この問いが大きくのしかかりました。
それから5年後、サラリーマン生活に別れを告げ、独立開業することになり
ましたが、あの時、存在理由について自問自答を繰り返した結果が、今ここ
に居る理由だと思っています。
人間、大病したり、災害に会って命からがら生き延びた時、自分の存在理由
を改めて問い直すといいます。
法人であっても、スタッフが次々と辞めていく。何かがどうも上手く行かな
い。そういう時こそ却ってチャンスで、存在理由、つまり理念を問い直す絶
好の機会かもしれません。法人も人格ですので、人生と同じ軌跡をたどるこ
とが少なくないのではないでしょうか。
今回は、「存在理由」というテーマで書いてみました。
以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。
お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。
次の第62号は、8月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか? 2.疑問点、ご意見はありますか? 3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく
お願い申し上げます。
福祉マネジメントラボ
電話番号 046-890-0856 住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
24/11/09
24/10/13
24/09/27
TOP
社会生活や経済活動にあれ程甚大な影響を与えた新型コロナも最近は、日常
生活においては、話題になることも随分少なくなりました。
当然、皆様の現場では、警戒を緩めるわけにはいかないと思いますが、一般
には、人々の意識からは少しずつ、薄れて来ているのではないでしょうか。
思い起こせば、3年前の2020年3月。志村けんさんが新型コロナでお亡くな
りになったというマスコミ報道辺りから、日本全国が、この新型コロナの恐
怖に覆いつくされた感があります。
その頃から、私の仕事も軒並みキャンセルになりました。
それまでは、三日と空かずに新幹線や飛行機で全国を飛び回っていて、もう
還暦を過ぎて、いつまでこの仕事をしていられるだろうかと、ふと不安にな
る位のハードスケジュールをこなしていましたが、「不要不急」「ステイホ
ーム」というスローガンが声高に叫ばれるようになって、スケジュールはほ
ぼなくなり、私はすっかり暇になってしまいました。
と同時に、自分の存在は「不要不急」なんだと考えるようになって、自分の
そして自分のコンサル事務所の存在理由というものに改めて向き合うことに
なりました。今までは対面が当たり前の世界で、それ以外の方法など考え
たこともなかったのですが、対面は全て禁止で県外への移動も禁止になって
しまうとコンサルや講演の仕事は全てできなくなります。
「自分の存在とは、一体なんだろう。」、「自分は社会に必要とされていな
いのか。」この問いが、グルグル頭の中をかけ巡った日々を思い出します。
そんな時、運よくある出版社から本の出版の依頼が来て、その執筆に3カ月
程、忙殺されることになり、その間、その苦しい思いから一時的に解放され
ることができたのは、とても幸運なことでした。
あれがなかったら、もしかしたら鬱になっていたかもしれません。
さて、私には人生でもう一度、自分の存在理由を見つめ直す機会というか、
事件がありました。今から15年以上前の50歳になった時、出張先で大量の
吐血をして、その地方の病院に緊急搬送されたことがあります。
後で分かったことですが、胃潰瘍で胃の中を通っている動脈をその潰瘍が傷
つけてしまい、そこから出血していたとのことでした。
前の晩は何ともなく、日曜日でしたので、外で食事をして普通に就寝したの
に、翌日の朝になると水洗トイレが一杯になるほどの大量の下血がありまし
た。たった一晩の出来事です。
何か変だなと思いつつ、一瞬出張するのをためらいましたが、大事なコンサ
ルの最終報告会議でしたので、何としても今日一日乗り切ろうと思い、出か
けることにしました。
するとその報告会の半ば、途中休憩が入った時に全く動けなくなり、今度は
口から大量吐血をして、救急車で病院に運ばれました。
たまたま特養の中でしたので、職員さんが迅速な対応をして下さり、最短で
治療を受けることができました。今、思い返しますとあの時、道端で倒れて
いたとしたら、自分で救急車も呼べない状況でしたので、そのまま手遅れに
なって、今はこの世にいないのではないかと時々考えることがあります。
長年懇意にして下さっていた特養だからこそ、私は助かったのだと今でも
感謝しています。
ただ、病院に運ばれたからと言っても、それで終わりではありませんでし
た。内科的内視鏡手術で穴が開いた動脈をクリップで留める手術を施されま
したが、動脈の血流の勢いが強すぎて、そのクリップを弾いてしまい、ずっ
と出血したままの状態が続いてしまったのです。
その間、3回にわたるクリップ留め手術を受けましたが、その都度、動脈が
クリップを弾いてしまい、状態はどんどん悪化して行きました。
そんな時、例の三途の川とはちょっと違う体験をしました。日めくりカレン
ダーが猛スピードでめくれていき、その間、自分の子供の頃から今までの一
生がパッシャ、パッシャとスライド映写のようによみがえる経験をしたので
す。それを見てから、私は死を意識しました。今は生死半々の状態だという
事を自覚したことをはっきり覚えています。
最終的には、クリップが完全に留まって出血も収まりましたので、それから
は日に日に回復して、10日足らずで無事退院することができました。
ところが、無事退院はしたものの、このことをきっかけにして、私の人生が
大きく変わってしまい、あの時、死んでしまった方が良かったと思うような
出来事に遭遇しました。
その時、正に今回のテーマである自分の存在理由について、初めて向き合う
ことになったのです。「私はなぜ生きているのか。」、「あの時、なぜ生
かされたのか。」この問いが大きくのしかかりました。
それから5年後、サラリーマン生活に別れを告げ、独立開業することになり
ましたが、あの時、存在理由について自問自答を繰り返した結果が、今ここ
に居る理由だと思っています。
人間、大病したり、災害に会って命からがら生き延びた時、自分の存在理由
を改めて問い直すといいます。
法人であっても、スタッフが次々と辞めていく。何かがどうも上手く行かな
い。そういう時こそ却ってチャンスで、存在理由、つまり理念を問い直す絶
好の機会かもしれません。法人も人格ですので、人生と同じ軌跡をたどるこ
とが少なくないのではないでしょうか。
今回は、「存在理由」というテーマで書いてみました。
以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。
お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。
次の第62号は、8月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく
お願い申し上げます。
福祉マネジメントラボ
電話番号 046-890-0856
住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77