046-890-0856
〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
業務改善という名の病
職員研修で受講者の皆さんに心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りと
いうテーマで取組んで頂くと、必ずと言っていいほど、業務改善の話が出て
きます。
皆さんは、業務改善で心理的安全性の高い、風通しの良い職場ができると
思われますか?
私は、業務改善では、心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りは叶えら
れないと考えています。
そもそも目的の設定が、正しく行われないと課題設定も間違ったものになり
ます。
それでは、心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りの目的とは何か。
その目的とは、言うまでもなく、人間関係による離職を削減して、結果的に
生産性が高い組織にすることです。
一方、業務改善の目的は、日々の業務上の「ムリ・ムダ・ムラ」を見直して
、現在の業務に要している時間短縮を図ること。
一人一人がやっているムダな業務の削減や一人一人バラバラな仕事のやり方
を標準化することで、今までの業務時間の短縮を図り、二人が係わってやっ
ていた業務を一人でできるようにする、あるいは一人で携わっていた業務を
0.5人でできるようにすること。
生産性という点では、一見似ているようにも見えますが、離職削減という組
織風土改善を目的とするのか、利用者サービスの限られた業務の削減を目指
すのか、その目的は全く異なるわけです。
繰返しになりますが、目的である「なぜ」を正しく設定しないと、このよう
に間違った課題を設定することになり、結果、それを達成したとしても本来
の目的は叶えられないということになります。
心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りというのは、職員同士が同じ組
織の一員として、信頼で結ばれること。
つまり、職場のコミュニケーション改革にほかなりません。
一般的に5W1Hといいますが、この6つの要素はすべて並列ではなく、
WHY(なぜ)だけが上位に位置しています。
WHYで正しく目的設定したうえで、WHAT(何を)で取組む課題・テーマ
を導き出す必要があります。
「心理的安全性の高い、風通しの良い職場作り」に限らず、別のテーマで取
組んでもらっても、必ず誰かが業務改善の話をします。
例えば、「労務管理を適切に行って職員のモチベーションを上げる」という
テーマでも、必ず業務改善という話が出てきます。
こうした経験を繰り返ししていると、この業界は「業務改善という名の病」
に侵されているのではないかとさえ思うことがあります。
問題が何であっても、なぜ、すぐに業務改善という話になるのか。
定かではありませんが、恐らく「改善=業務改善」ということが専門職
研修などで刷り込まれた結果ではないかと思われます。
加えて、福祉介護職の皆さんは、利用者に良いサービスを提供することが
仕事のすべてと考える傾向がありますので、改善とはイコール利用者に係
わる業務を見直すことと思い込んでいるようなこともあるかもしれません。
専門職研修ばかりを受講して組織マネジメント関係の研修を受講する機会
がないと、この落とし穴にはまるのではないか。
実際、組織マネジメント関連の研修を定期的に受講させている法人の職員
さんの場合は、課題設定が業務改善に終始することはありません。
いつも訴えていますが、福祉介護施設や事業所は、利用者の生活の場と同時
に自分たちが毎日通ってくる職場でもあるわけです。
そうすると利用者サービスばかりに焦点を当てるのではなく、健全な職場、
働き易い職場、明日も行きたくなるような職場という観点で自分たちの仕事
を今一度定義し直す必要があるのではないかと思います。
今回は、「業務改善という名の病」というテーマで書いてみました。
以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。
お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。
次の第65号は、11月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか? 2.疑問点、ご意見はありますか? 3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく
お願い申し上げます。
福祉マネジメントラボ
電話番号 046-890-0856 住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
24/11/09
24/10/13
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職員研修で受講者の皆さんに心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りと
いうテーマで取組んで頂くと、必ずと言っていいほど、業務改善の話が出て
きます。
皆さんは、業務改善で心理的安全性の高い、風通しの良い職場ができると
思われますか?
私は、業務改善では、心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りは叶えら
れないと考えています。
そもそも目的の設定が、正しく行われないと課題設定も間違ったものになり
ます。
それでは、心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りの目的とは何か。
その目的とは、言うまでもなく、人間関係による離職を削減して、結果的に
生産性が高い組織にすることです。
一方、業務改善の目的は、日々の業務上の「ムリ・ムダ・ムラ」を見直して
、現在の業務に要している時間短縮を図ること。
一人一人がやっているムダな業務の削減や一人一人バラバラな仕事のやり方
を標準化することで、今までの業務時間の短縮を図り、二人が係わってやっ
ていた業務を一人でできるようにする、あるいは一人で携わっていた業務を
0.5人でできるようにすること。
生産性という点では、一見似ているようにも見えますが、離職削減という組
織風土改善を目的とするのか、利用者サービスの限られた業務の削減を目指
すのか、その目的は全く異なるわけです。
繰返しになりますが、目的である「なぜ」を正しく設定しないと、このよう
に間違った課題を設定することになり、結果、それを達成したとしても本来
の目的は叶えられないということになります。
心理的安全性の高い、風通しの良い職場作りというのは、職員同士が同じ組
織の一員として、信頼で結ばれること。
つまり、職場のコミュニケーション改革にほかなりません。
一般的に5W1Hといいますが、この6つの要素はすべて並列ではなく、
WHY(なぜ)だけが上位に位置しています。
WHYで正しく目的設定したうえで、WHAT(何を)で取組む課題・テーマ
を導き出す必要があります。
「心理的安全性の高い、風通しの良い職場作り」に限らず、別のテーマで取
組んでもらっても、必ず誰かが業務改善の話をします。
例えば、「労務管理を適切に行って職員のモチベーションを上げる」という
テーマでも、必ず業務改善という話が出てきます。
こうした経験を繰り返ししていると、この業界は「業務改善という名の病」
に侵されているのではないかとさえ思うことがあります。
問題が何であっても、なぜ、すぐに業務改善という話になるのか。
定かではありませんが、恐らく「改善=業務改善」ということが専門職
研修などで刷り込まれた結果ではないかと思われます。
加えて、福祉介護職の皆さんは、利用者に良いサービスを提供することが
仕事のすべてと考える傾向がありますので、改善とはイコール利用者に係
わる業務を見直すことと思い込んでいるようなこともあるかもしれません。
専門職研修ばかりを受講して組織マネジメント関係の研修を受講する機会
がないと、この落とし穴にはまるのではないか。
実際、組織マネジメント関連の研修を定期的に受講させている法人の職員
さんの場合は、課題設定が業務改善に終始することはありません。
いつも訴えていますが、福祉介護施設や事業所は、利用者の生活の場と同時
に自分たちが毎日通ってくる職場でもあるわけです。
そうすると利用者サービスばかりに焦点を当てるのではなく、健全な職場、
働き易い職場、明日も行きたくなるような職場という観点で自分たちの仕事
を今一度定義し直す必要があるのではないかと思います。
今回は、「業務改善という名の病」というテーマで書いてみました。
以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。
お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。
次の第65号は、11月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく
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