ほうれんそう(報告連絡相談)

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2023/12/12 ほうれんそう(報告連絡相談)

ほうれんそうとは、言うまでもなく職場内の報告連絡相談を意味する略語

 

ですが、言葉では分かっていても、これほど実践されないものも珍しいの

 

ではないでしょうか。

 

みんな、言葉としては知っているので、つい分かった気になっている。

 

会議中に黙って出て行く、そして、戻ってきてどこへ行って来たかも

 

報告せずに、また黙って席に座る。このような場面に出くわすことが

 

本当に多いです。

 

実際、福祉介護施設の多くは、ほうれんそうのコツやタイミングなどを

 

学ぶ機会が少ないのではないでしょうか。

 

適宜適切な報告連絡相談ができないことで、職場の風通しや職種間の連携不

 

全、部署間の垣根や軋轢、疑心暗鬼といった問題が起きている実態を非常に

 

多くの施設で見て来ました。

 

そういう私もこのホウレンソウに関しては、若い頃に苦い思い出がありま

 

す。それは私が、富士通に中途入社して間もないころのことです。

 

ある日、社内研修を受講しました。その当時、富士通では、研修に行って来

 

たら翌日一番で課長に報告をすることになっていました。

 

慣例に従い、私も課長席に行って報告したことを憶えています。40年近く前

 

のことですから、何をどう話したかなどは、もう覚えていません。

 

終わって席に戻ろうとすると親しい同僚が近寄って来て、「お前、報告下手

 

だなあ。」と一言。

 

そして、結論から先に話すこと。5W1Hで客観的事実と自分の感想は分けて

 

話すことなどを懇切丁寧に教えてくれました。

 

彼は同僚と言っても新卒で入社して、まるまる1年間、富士通の研修セン

 

ターで、組織での報告連絡相談などのビジネスマナーを徹底的に教育され

 

来ています。その後、職場に配属された後では、実践を通して報告連絡相談

 

の仕を先輩や上司から教え込まれています。

 

一方、私はというとシステムエンジニアとしての経験はあったものの、そう

 

したビジネスマナー全般を教育されたことも実践を通して指導されたことも

 

ほとんどないという状態でした。

 

彼から見れば全く穴だらけのさんざんな報告のように感じられたのでしょ

 

う。それで、やむに已まれず、先ほどのように熱心に教えてくれたのだと思

 

す。それから私は、何か報告に行くたびに彼から教わったことを念頭に

 

て報告するようになりました。こうしたことは実地の訓練がものを言い

 

す。繰返し、繰返し反復することで、私も徐々に報告が上手くできるよう

 

なりました。

 

組織での報告連絡相談といったビジネスマナーは学校で教わることはありま

 

せんし、資格試験でも試されません。当然、専門職研修をいくら受けてもこ

 

のようなスキルは身につきません。

 

しかし、組織で働くようになったらこれほど重要なスキルはないのではない

 

でしょうか。価値観が違う他人さまと一緒に働く組織では、かっての私のよ

 

うに専門技術だけを身に着けていてもどうにもならないことが多く横たわっ

 

ています。

 

それでは、どうすれば施設内で報告連絡相談が確実に行われるようになる

 

のでしょうか。

 

まずは、報告連絡相談の重要性とそのコツ、タイミングといったことをしっ

 

かり教えてくれる研修を受講させる必要があるでしょう。

 

学校や専門職研修では教わらない、組織で働く上でのビジネスの基本を頭で

 

しっかり理解しておく必要があると思います。

 

全員がそうしたOFFJTを受けた後、今度は、施設職場で管理職がしつこく

 

報告連絡相談を求めて、躾をしていくことだと思います。

 

話しは変わりますが、皆さんも宅急便を使われることがあると思います。

 

あくまでも私の感想ですが、クロネコヤマトと佐川急便では、配達員のマナ

 

ーが違うように思います。私には、クロネコヤマトの配達員の方がしっかり

 

教育されているように感じられます。

 

以前、クロネコヤマトの某県の教育課長に聞いた話ですが、ヤマトの社員教

 

育は6Sだそうです。

 

「整理・整頓・清掃・清潔・躾」。これが普通の5S(ゴエス)ですが、

 

ヤマトの場合、ここに「しつこく」が加えられて6Sで教育するそうです。

 

人材教育は、一度言ったくらいでは変わらないことは、皆様もよくご存じの

 

通りだと思います。「しつこく」言い続けない限り、組織には浸透しないの

 

は周知の事実でしょう。

 

自分が持ち場を離れるときは、必ずどこに行ってくるかを報告する。持ち

 

以外ののどこからか帰ってきたら、必ずどこで何をしてきたかをそこに居

 

人に報告する。他部署から何かしらの連絡が来たら、関係者すべてにその

 

内容を伝える。

 

これが励行されるだけでも、施設の風通しや一体感は随分と増すでしょう。

 

また、部下スタッフから相談を受けて自分で意思決定できない時は、施設長

 

に聞いて、事務に聞いてと投げてしまわないで、自分が直接、分かる人に聞

 

きに行って、そこで十分理解したうえで、それを部下スタッフに伝えるとい

 

う習慣をつけることも大事だと思います。

 

せっかく、部下スタッフが相談に来てくれたのに、誰に聞いて、彼に聞いて

 

では、もう相談には来てくれなくなります。

 

また、上司として報告や相談を受けて、自分が決裁したら、その件について

 

は必ず責任を持つという態度姿勢も大事です。たとえば、残業申請の相談を

 

受けて、自分が許可をしたなら、その責任は承認した上司である自分だと思

 

わなければいけないでしょう。それによって残業代が多く出た責任は自分に

 

あると考えるのが組織の管理職に求められる態度姿勢だと思います。

 

報告連絡相談を組織に浸透させるためには、OFFJTと管理職の日頃の態度

 

姿重要なポイントになるのではないでしょうか。

 

今回は、「ほうれんそう」というテーマで書いてみました。

 

以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第67号は、1月10日頃に配信致します。

1.内容は、興味がもてますか?
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3.その他、感想、希望テーマ等

差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見

くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。

 

※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく

お願い申し上げます。

 

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