人事考課に対する誤解

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人事考課に対する誤解

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2024/02/10 人事考課に対する誤解

読者の皆様は、人事考課の目的は何だとお考えでしょうか。

 

人事考課で職員の処遇に差をつける。年功序列で上がって行く人件費を昇給

 

やボーナスで差をつけることで人件費率をコントロールする。

 

こうした誤った目的で人事考課を導入されている法人施設が少なくないよう

 

に感じています。

 

私は人事考課の第一の目的は、法人施設で働くうえでの職員の考え方、価値

 

基準を合せることだと考えています。職員一人一人の能力が、仮にどんなに

 

高かったとしても、職員一人一人の考え方や価値基準がバラバラであったと

 

したら、1+1が3になることはなく、0.5にしかならないで法人施設の生産

 

性が上がることはないでしょう。

 

ですから、一人一人の能力考課を優先するのではなく、まずは、そこで働く

 

従業員の考え方、価値基準を合せることが一丁目一番地ではないか。このよ

 

うに考えています。

 

人事考課を考える際、京セラ稲盛和夫師の成功方程式 

 

人生・仕事の結果=「考え方×熱意×能力」が生きてきます。

 

能力が仮に100あったとして考え方が不良であればマイナスしか産ま

 

ない。人事考課制度も経営ツールのひとつであるわけですから、組織全体

 

生産性向上、つまり1+1=3にならなければ意味がないと思います。

 

加えて、職員の考え方、価値基準が合って来れば、職場全体の方向性が

 

統一され、働き易い職場になっていきます。離職の一番の要因は、荒れた

 

職場環境がもたらす人間関係の悪化ですから、みんなが安心して働ける職場

 

は、職員の離職率の低減につながります。

 

離職がなければ、職員補充のために人材派遣に頼ることもありませんので

 

結果として生産性が上がるわけです。

 

そして、二つ目の目的は、キャリアパスを踏まえた人材育成でしょう。

 

キャリアパスには、等級という概念があります。一般職なら1等級と2等級

 

リーダークラスは3等級。主任が4等級、課長は5等級。そして施設長が6

 

等級といったイメージです。

 

そして、それぞれの等級には、担うべき役割というものを定義することに

 

なっています。

 

例えば一般職2等級の場合、その下の等級である1等級の教育指導や全般的

 

な支援(仕事で困ている時やプライベートの相談にも応じること)が担う

 

べき役割になります。

 

キャリアパスの等級に倣って、2等級の職員には、上記の役割が担えている

 

かという観点で人事考課を行うことになります。

 

そしてその上の3等級の職員(リーダークラス)には、2等級の職員が担う

 

こうした役割を担えるように教育育成できているかどうかが、人事考

 

の対象になるわけです。

 

さらには、その上の4等級(主任)は、キャリアパス上の3等級の役割を担

 

るように育成することが求められます。

 

このようにして、組織を縦のラインで構築していくことが各等級の職員の

 

人材育成に繋がり、結果、生産性の高い法人施設になるという考えがキャ

 

リアパスの根本思想としてあるわけです。

 

このようにキャリアパスと人事考課は連動していると考えますと、人事考課

 

が、職員一人一人の人材育成を目的としているという意味がお分かりになる

 

のではないでしうか。

 

加えて、キャリアパスの等級と賃金表の等級は、完全に連動することになっ

 

ていて、その等級に上がらなければその等級の賃金(基本給)はもらえない

 

ことになっています。

 

しかしながら、キャリアパスの概念がない法人施設では、勤続年数のみで

 

賃金上がっていき、その人が本来属するキャリアパス等級をはるかに超え

 

た等級の賃金が支払われているという実態も少なからず存在します。役職者

 

の給料を上回る一般職が存在することも少なくありません。

 

こうした根本的な問題を放置して、人事考課で昇給や賞与に差をつけ

 

あまり意味がないことがお判りでしょう。

 

人事考課に話を元に戻しますと先ほどの稲盛成功哲学をもう一度思い出さ

 

ければなりません。

 

人生・仕事の結果は、「考え方×熱意×能力」

 

能力が仮に100あったとして熱意が0なら結果は0。

 

この方程式は掛け算ですので、能力それ自体にはあまり意味はないという

 

ものです。そのように考えますと結果を出すためには「熱意」が必須の条件

 

ということになります。

 

人事考課にも、この「熱意」を評価する項目があります。それは情意考課で

 

す。情意とは「熱」と「欲」を表す人事用語です。

 

一般的には、規律性・責任性・協調性・積極性の4つが情意考課の考課項目

 

になっています。

 

「規律性」とは、経営理念、経営方針、就業規則、職場のルールや上司の

 

指示命令を遵守し、職場の秩序と組織の社会的責任を果たそうとする態度

 

姿勢を意味します。

 

「責任性」とは、自己の職責を自覚し、責任を持って職務を遂行しようとす

 

る意欲と結果に対して責任を負う態度姿勢を意味します。

 

「協調性」とは、自分の基準や価値観を他者に押し付けないで働き易い職場

 

りに貢献しているか、です。

 

そして「積極性」とは、仕事の量的拡大、質的向上にチャレンジしているか

 

です。

 

われわれの業界は、専門性ということが声高に叫ばれ、資格や福祉介護経験

 

ばかりが重要視されますが、上記4つの情熱と意欲がなければ何も生まれな

 

いことは、皆様も経験上ご存じのはずです。

 

従いまして、私は、人事考課制度を設計する場合、能力考課にあまり重きを

 

置かず、この情意考課を中心に据えることが最も理に適っていると考えてい

 

す。

 

もう少し書きたいことがありますが、字数の関係で次号に続けたいと思い

 

ます。

 

今回は、「人事考課に対する誤解」というテーマで書いてみました。

 

以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第69号は、3月10日頃に配信致します。

1.内容は、興味がもてますか?
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差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見

くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。

※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく

お願い申し上げます。

 

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