人材ビジョンを考える

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2024/08/12 人材ビジョンを考える

人手不足は、介護業界だけでなく、全産業共通の経営課題と

 

なっています。今後、将来にわたって事業を安定経営して

 

ためには、良い人材が長く勤めてくれるどうかがカギに

 

るのではないでしょうか。

 

そこで今回は、自法人に長く貢献してくれる人材確保、定着

 

、育成を考える上で欠かせない、人材ビジョンについて考え

 

てみたいと思います。

 

皆様の法人事業所では、人材確保に苦労されていませんでし

 

ょうか。

 

20年位前までは、ハローワークだけで十分人材確保でき

 

時代でした。実際、私が施設の事務長や施設長をしていた

 

は、一人の募集枠に何10人も応募してくるという状況だっ

 

たように記憶しています。

 

あれから20年、少子化の急速な進展と15歳から64歳ま

 

での生産年齢人口の引きこもりが150万人と増え続けた

 

結果、日本の労働人口は、右肩下がりに減りけてます。

 

さらには、就労意も変わってきていて、特に中途採用者の

 

場合、自分で求職活動する人より、人材登録や人材紹介、人

 

派遣会社を使いながら就職先を決める人が増えてきました。

 

こうした労働市場の変化に適応できず、ハローワーク頼りで

 

手をこまねいている、紹介会社を使って欠員を補充する、

 

当面、頭数ればという思考に慣らされて行きます。

 

そんなこと言ったって、募集しても一人も応募がなければ

 

しょがないじゃないかという声が聞こえてきそうですが、

 

経営が環境適応業である以上、人材紹介だけに依存していて

 

は、多大な費用が外部に流れていくだけで、将来の安定経営

 

望めないのではないでしょうか。

 

人材紹介で採用した人間は短期で辞める傾向があります。

 

恒常的に人材紹介を使っているのであれば、人材紹介で

 

採用した職員とそうでない職員の離職率や勤続期間を比

 

較分析してみることをお勧めします。

 

いかに無駄なコストを掛けているか、実態が明らかにな

 

るのではないでしょうか。

 

そのうえで、自分達はどういう人たちと一緒に働きた

 

のか、自社を支えてくれる人材にはどういう資質が望ま

 

しいのかというビジョンをはっきりさせることから始

 

る必要があるのではでしょうか。

 

経営を持続していくためには、部署を束ねてくれるリーダ

 

も必要でしょう。面倒見がよくて、管理職に向いている

 

も必要でしょう。単に、日々の現場を廻すだけの職種をい

 

くら揃えてみても経営は持続できません。

 

こうした前提に立って、自社の人材ビジョンを考えるわけ

 

です。

 

逆にこれがないと資格と経験だけが唯一の採用基準となっ

 

て、短期で辞めて行く、いわゆる業界内を転々とする人た

 

ちばかりを集めてしまうことにもなりかねません。

 

それでは、具体的に人材ビジョンとは、どのようなものでしょ

 

うか。まず第一に、そこで働く職員の「行動規範」を作ること

 

だと思います。

 

行動規範のイメージとして分かり易いので、JALフィロソフィー

 

をご覧になってください。

https://www.jal.com/ja/philosophy-vision/conduct/

 

ここに書いてあることに共感できる人を採用する。ここに書

 

あるようなことが出来る職員を一人でも多く増やしていく。ここ

 

に書いてあることを人材育成の主にしようという軸となるもの

 

が行動規範です。

 

倒産する前のJALには、このようなフィロソフィー(行動規範)

 

はありませんでしたし、自分たちの利害だけを考えて、好き勝手

 

ことを言える会社が自由で良い会社だとJALの職員は考えて

 

いたそうです。

 

京セラの稲盛さんがJALの再建に乗り出されたとき、まず最初

 

に着手したのが、この行動規範、共有すべき価値観であフィ

 

ロソフィーの確立でした。

 

以前からJAL(日本航空)は大学生が就職したい企業の上位に

 

常にランキングされていました。

 

ですからある意味、偏差値エリートの集団であった訳ですが、

 

稲盛さんから経営を引き継いだJAL生え抜きの大西会長が

 

「全社で共有べき価値観がなく、自分の利害だけを考えて、

 

好きなことを言っいるだけの会社が自由で良い会社だと勘

 

いしていた。だからJALは倒産したんだ。」語っておら

 

れる動画見たことがあります。

 

そこで働く職員一人一人がいかに優秀であったとしても、共有する

 

価値観でつながり、そのことが実践されなければ、どんな大企業も

 

潰れる。

 

この教訓は、われわれ業界にも当てはまるのではないでしょうか。

 

それこそ資格と経験年数だけの採用基準だけで採用して、あとは

 

現場が好き勝手にやっている福祉介護施設を沢山みてきた私として

 

は、この大西会長の言葉は、とても重く響きます。

 

法人独自の人材ビジョンを明文化したうえで、自社の採用サイトを

 

立ち上げる。そして、SNSで拡散して求職者に訴え続ける。

 

人材紹介会社だけに依存せず、こうしたことに着手する時期に来て

 

いるように感じます。

 

人材紹介に一人150万円も掛けているのであれば、こうした仕組

 

みつくりに投資した方が、将来的にどれだけ価値があるか分かりま

 

せん。

 

人材採用難の時代にあって、法人独自の人材ビジョンに適った人材

 

を採用することが、事業経営の明暗を分ける時期にきているように

 

感じます。

 

次の第75号は、9月10日頃に配信致します。

 

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くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。

 

※反対意見、賛成意見、ご感想やご意見は、当方の励みになり

ますので、是非宜しくお願い申し上げます。

 

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