高齢者になって思うこと

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高齢者になって思うこと

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2024/10/13 高齢者になって思うこと

先日、淡路島で講演をしてきました。淡路島は、生まれて初めて

 

訪れる場所であり、予備知識などもほとんどありませんでしたが、

 

現地の人のお話では、高齢化率が何と40%にもなっているとの

 

ことでした。つまり、5人に2人は65歳以上の高齢者というわけ

 

です。そういう私も現在、65歳を超えた高齢者の一人です。

 

今回は、高齢者の私が、今感じていること、思うことをとりとめなく

 

述べてみたいと思います。

 

私の同級生も含めて、私の周りの70歳前後までの人たちは、

 

元気な人が多いです。50代の頃に比べれば、当然体力は落ちて

 

いますが、知力、気力はそれほど衰えているようには感じられ

 

ません。何より若い時と比べると豊富な人生経験や職業経験が

 

あります。

 

しかしながら60歳を迎えて定年退職した後、もう少し働こうかと

 

考え求職活動すると夜警などのガードマンやビルの管理員、清掃員、

 

マンションの管理人など、肉体労働を伴った単純作業の仕事しかあり

 

ません。

 

実際、私の学生時代の同級生たちも一部上場企業に勤めていたにも

 

係わらず、定年退職して、その後、求職活動すると、肉体労働中心

 

仕事しか見つからず、働くことをあきらめてしまう人もいますし、

 

仕方なく清掃の仕事についたり、マンションの管理人をやっている

 

友達もいたりします。これは、私の周りの人間だけの話ではなく、

 

YouTubeなど見ても、60歳過ぎの高齢者が仕事を探そうとする

 

例外なく、肉体労働中心の職種しかないようです。

 

体力は衰えたものの、それまでの職業経験や未だ衰えていない知力など

 

を活かすことができる仕事はなく、一番衰えてしまった体力を使う仕事

 

しか与えられないということは、何という不幸でミスマッチなことか。

 

この国生産性にとって非常に無駄なことが、今起きているのではな

 

いか、そう感じざるません。

 

彼らの中には、人事のスペシャリストであったり、経理事務に豊富な経験

 

持っていたり、在職中は優秀な営業マンであったりする人達も少なく

 

ありません。そういう人たちの経験やノウハウを活用する方法はないも

 

か。

 

今の労働市場では決して顕在化しないこうした人たちを正社員ではなく

 

ても嘱託や契約社員として雇用して、ノウハウを提供してもらえれば、

 

法人企業にとっても生産性の向上につながるのではないか。

 

今後、64歳までの生産年齢人口は、確実に減少していく訳ですから、

 

高齢者にそれぞれの専門性を活かしてもらうことで、これからの生産

 

年齢人口減少を補うことができないだろうか。そのようなことを考え

 

ていますが、皆様はどのようにお感じになりますでしょうか。

 

一方で、社会福祉法人のような国の認可法人では、いち早く、65歳

 

までの継続雇用が導入されています。ご承知の通り、60歳定年を迎

 

えて、本人が望み、法人が認めれば一年契約で雇用が継続されます。

 

先に述べたように全く新しい仕事を見つけて苦労することはありませ

 

んが、一律給料が4割カットという条件が一般的で、それがネックで

 

継続雇用を選択しない人たちもいます。また、仮に継続雇用を選択し

 

たとして同じ業務内容、同じ仕事量で給料だけが4割カットされるこ

 

とにモチベーションが保てず、却って生産性の低下を引き起こしてい

 

るような場合もあるようです。

 

考え方かもしれませんが、年齢で一律カットというのは、一見平等に見え

 

て、結果、「悪平等」ではないかと思います。人事考課の結果などを考慮

 

して、それまでと同じ働きをしてくれる高齢者には、定年前の給料を保証

 

するなど、きめ細かな運用をすることが「愛のある経営」というものでは

 

ないでしょうか。

 

これまで高齢者の有効活用という観点で話しを進めて参りましたが、逆の

 

見方をすると知力、気力が衰えた高齢者は、組織の成長発展のためにお引

 

き取り頂くという観点も必要ではないかと思います。

 

国会議員の定年制導入という話もあるように知力、気力が衰えた高齢者を

 

いつまでも現職に留めておくということは、考え直さなければならない

 

課題かと思います。

 

施設長は施設に一人しか必要ありませんが、その施設長ポストに力、

 

気力の衰えた人がずっと居続けるというのは、後継者育成という点で

 

いかがなものか。もちろん個人差があり、高齢になっても力、気力に

 

衰えを感じない方もいらっしゃいますので、年齢で一括りする訳にはい

 

きませんし、オーナーか雇われかによっても変わってくるとは思います

 

が、施設に一つのポストしかない施設長のような役職には、定年制を

 

導入することには、それなりの合理性があるのではないか。

 

とりとめもなく述べてみましたが、人生経験豊富で未だ知力、気力の

 

ある高齢者が貢献できる社会とはどうあるべきか、皆様はどのよう

 

お考えになりますでしょうか。

 

次の第77号は、11月10日頃に配信致します。

 

1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等

 

差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見

くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。

 

※反対意見、賛成意見、ご感想やご意見は、当方の励みになり

ますので、是非宜しくお願い申し上げます。

 

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