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2019/02/13 メルマガ通信第8号

こんにちは。

 

福祉マネジメントラボの大坪信喜です。

 

私が住んでいます関東圏では、ここ数日寒い日が続いています。

しかし、このくらいが例年の2月の気温ではないかとも思います。

そう考えますと今年は暖かい冬ではないでしょうか。皆様のお住まいの地域ではいかがですか。

 

今月も皆様とのご縁に感謝しながらメルマガを配信致します。

 

今回のメルマガは第8号になります。

 

今回は、社会福祉法人・施設の賃金実態について考えてみたいと思います。

 

介護福祉職の給料は「安い、安い」と言われていますが、果たして本当でしょうか。

 

  • 岡山県内の社会福祉施設の賃金実態調査

私は岡山県社会福祉協議会に設置されている「社会福祉経営支援委員会」の委員をさせてもらっています。

 

岡山県社会福祉協議会では平成19年度から5年おきに県内の社会福祉法人・施設の賃金実態調査を続けていますが、

 

今回で3回目となる平成29年度賃金実態調査結果の中から一部を抜粋しながら、果たして本当に給料が安いのか、

 

その辺りについてみていきたいと思います。

 

  • 岡山県内410施設の実態から

岡山県内には695の社会福祉施設がありますが、今回調査での有効回答数は410件(59%)で、

 

その内訳は高齢施設158件、障害者施設113件、児童施設139件(59.4%)でした。

 

今回のこのメルマガでは、高齢施設の中でも特に特養に焦点を絞ってみていきたいと思います。

 

・初任給

大学卒 短大・専門卒 高卒
全産業全国平均の会社員※ 203,400円 176,900円 161,300円
岡山県内特養の介護職 203,520円

 

196,950円 189,900円

※出展:平成28年賃金構造基礎統計調査(厚労省)

 

初任給とは、新規学卒者の基本給に加えて月例で決まって支給される諸手当を含めた金額です。

 

ただし、通勤手当は含まれません。当然、実績が確定できない残業手当なども対象外です。

 

全国平均の会社員(サラリーマン)の初任給と見比べてみていかがでしょうか。

 

特養の介護職ということですので、夜勤手当が月4回程度入っていますが、

 

サラリーマンの全国平均と比較しても遜色ない金額です。短大、高卒では2万円以上も高い結果です。

 

皆様の法人施設と比べてみていかがでしょうか。

 

この岡山県内の特養の平均金額と比べて見劣りしないのであれば、新卒の労働市場では、十分競争力があると言えるのではないでしょうか。

 

少なくとも給料が安いから新卒が採れないという言い訳にはならないと思います。

 

蛇足になりますが、最近、厚労省が出す統計データに疑問の声が上がっていますが、

 

一説によりますとアベノミクスの成果を良く見せるために、平成30年からの数字から恣意的な統計になってきたという話のようです。

 

・賞与

特養の介護職員の賞与の平均支給月数は3.9ヵ月です。併せて、年間で平均279,000円の処遇改善加算が支給されています。

 

最近では、一般の中小零細企業では、ボーナスは支給しないという所も多いのではないでしょうか。

 

一方、社会福祉法人・施設の賞与は、経営状況に関係なく、ほぼ固定で、決まった支給月数が支給されている所が、ほとんだと思います。

 

財務体質としては課題もありますが、この賞与の支給月数と処遇改善加算の金額は、ハローワークを含めた労働市場に対して十分に訴える力はあるのではないかと思います。

 

・年収(モデル賃金) 短大・専門卒(介護職)

 

対象年齢

介護職平均

短大・専門卒

 

対象年齢※

岡山県内全産業平均※
20歳 3,127,135円 20歳〜24歳 2,743,400円
25歳 3,536,399円 25歳〜29歳 3,278,200円
30歳 3,927,725円 30歳〜34歳 3,831,400円
35歳 4,252,077円 35歳〜39歳 4,108,100円
40歳 4,485,157円 40歳〜44歳 4,538,300円
45歳 4,704,971円 45歳〜49歳 4,715,200円
50歳 4,847,812円 50歳〜54歳 5,133,200円
55歳 4,987,389円 55歳〜59歳 4,850,000円
60歳 5,082,137円 60歳〜64歳 3,649,500円
平均額 4,327,867円 4,137,200円

※出展:平成28年賃金構造基礎統計調査(厚労省)

 

岡山県内特養の短大専門卒の介護職の年齢別モデル年収と岡山県内全産業平均の年収を比較したものです。

 

いかがです。一般企業が上回っているのは50歳〜54歳だけです。

 

平均額も含めて、ほぼすべての年齢層で特養介護職が上回っているのがお分かりになるのではないでしょうか。

 

ちなみに最新の全国調査では、給与所得者の男女合わせた平均年収は432万円です(出展:民間給与実態統計調査 国税庁長官官房企画課 平成30年9月)。

 

新聞紙上で見かけるサラリーマンの平均年収440万円という数字をほぼ裏付ける結果です。

 

この国税庁の最新データと比較しても、4,327千円という短大専門卒の介護職の平均モデル年収は、遜色のない金額と言えます。

 

しかし、ここに重要な課題が隠れています。

 

これはあくまでもモデル賃金ということです。一方で岡山県内の全産業平均は、実体の真水の金額(年収)です。

 

自施設に去年中途で入ってきた○○さんの年収と比べてみてください。

 

仮に○○さんが40歳としたら、恐らくこのモデル年収には程遠いのではないでしょうか。

それではなぜモデル年収と実態とは違うのでしょうか。

 

モデル賃金(年収)というのは、新卒で入ってきた学卒者が、初任給から積み上げてきて、

 

換言すると勤続を重ねて、何年か掛けてその金額(年収)になるというものです。

 

ですからここでいう40歳のモデル賃金とは、短大卒で入社して20年間掛けて勝ち取った金額(年収)なのです。

 

介護職の給料が安いという実態には、中途採用が多い、勤続年数が短いという決定的な要因が存在するのです。

 

これは、人材採用をしている経営者が考えるべき問題なのか、介護業界に入ってくる求職者や中途採用者が理解すべきことなのか。

 

私は、両方の問題だと思います。

 

なぜなら新卒の初任給は、実際、全国平均と比較しても遜色がないからです。

 

新卒者を採用して、その人達が定着して勤続してくれれば、全国平均と比較しても遜色ない年収が出せるような賃金表になっている訳です。

 

しかし、実際には、中途採用は、低い格付け給与から始まるのでこのモデル賃金とは大きなギャップ(差)となって表れてきてしまうわけです。

 

・勤続年数

この調査での特養の平均勤続年数は6.8年でした。岡山県内全産業平均の勤続年数が11.9年でしたので、その約半分です。

 

こうしてみてきますと福祉介護業界の給与が安いといわれるようになった一つの大きな要因は、勤続年数が短い事、

 

特に中途入職者が多いことにより、他産業と比べても高い初任給であるにもかかわらず、それが賃金として積み上がっていかないこと

 

だと考えられます。

 

実際の報告書を添付しておきます。

賃金実態調査報告書H29_web

 

以上、何かのご参考になれば誠に幸いです。

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、本当に有難うございました。

 

次の第9号は3月10日頃に配信致します。

 

 

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