046-890-0856
〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
ひとつの真理(稲盛和夫師の教え)
去る8月24日の朝、稲盛和夫京セラ名誉会長がお亡くなりになりました。
「経営の神様」と称される松下幸之助を継いで、「現代の経営の神様」
とも謳われた巨星も、ついに鬼籍に入られました。
稲盛和夫師がまだ一中小企業の経営者だった若かりし頃、松下幸之助の
講演を聞いた時の話として、何かで読んだことがあります。
講演が終わった後、ある聴講者からの質問に幸之助さんが回答された場面
で、一部の聴講者からは、その回答に失笑がもれたといいます。
しかし、幸之助さんのその回答に雷に打たれたような衝撃を受けたと語って
おられた稲盛和夫師。
松下幸之助を継ぐ稀有な存在が、この国から消えてしまった喪失感を
今、多くの方がお感じになっているのではないでしょうか。
ご存じの方も多いと思いますが、稲盛さんの経営哲学に成功方程式
というものがあります。
稲盛流成功方程式:「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
この方程式に当てはめますと、能力である経験や資格がたとえ100点
であったとしても、全く覇気がなく、やる気もない熱意が0点の人なら、
結果もゼロという厳しいものになります。
ところが、能力は、そこそこの50点であったとしても、熱意が80点なら
4,000点になり、非常に大きな成果につながるというわけです。
稲盛さんは、熱意が何より大事という話の中で、ある体験を話されて
います。
京セラがまだ町工場の域を出ない中小企業だった頃、大学で基礎化学を
学んだ新卒を採用できたそうです。
小さな町工場には、四大出の新卒は、中々入ってきてくれません。
しかも院卒ですので、能力のある人材を採用できたと、当初喜んでいた
のもつかの間、その社員は、こんな研究設備では研究などできない、給料
が安すぎるなどと不平不満ばかり言って、全く成果を出せないまま、ほど
なく辞めてしまったそうです。
そういうことを何度か経験するうち、たとえ能力があったとしても、熱意が
なければ結果は出ないという、この成功方程式ができあがったといいます。
「熱意とは、思い、願望、情熱、意志と呼べるもので、全ての行動の原動力
になるものです。」と語っておられます。
ここでいう能力とは、知識や経験、資格、学歴といったものです。
本人が保有していますが、いずれも過去に獲得したものです。
われわれの業界でも、資格や経験を重視しますが、それだけで果たして
人財といえるでしょうか。
彼、彼女は資格を持っているから、雇っていればそのうち役に立ってく
れるだろう、加算が取れなくなるから辞めさせるのはもったいないと言っ
て、人罪のまま、雇い続けているケースも少なくありません。
稲盛さんが仰るように、「思い、願望、情熱、意志」といった熱意がなけ
れば、仕事の成果や組織への貢献は望めないのではないか。
私は、そのように考えています。
この会社の役に立ちたい、同僚と協調して良い仕事をしたい、会社を通し
て自分も成長したいという熱意や強い思いが根底にないと、組織の中では
仕事の成果は出せないと思うのです。
一方、「考え方」というものも大きく作用します。
仕事に対する考え方とは、「誰のために働くか、何のために働くか、自分は
どうなりたいのか」という価値観だと思います。
この価値観が、利己的で自分本位ということですと-100点ということ
もあるわけです。
能力もあり、熱意もある有能な人物でも、その考え方が自分本位や他を蹴落
としてでも、自分のためとしか考えないようでは、それだけマイナスが大き
くなり、仕事や組織に悪影響を与えることになるでしょう。
幸之助さんもあるたとえ話で、同じことを仰っています。
「ある人間に旋盤の技術を教えたとする。そして、熱意がある人間ほどその
上達は速いし、出来栄えも素晴らしいものになる。しかし、考え方が正しい
人間は、その技術と熱意を何か新しいもの、役に立つものの開発や製造に使
うが、考え方が間違っている人間は、それを金庫破りの道具として使う。」
幸之助さんは、方程式にはされませんでしたが、同じように「人生や仕事の
結果は、「考え方×熱意×能力」だと考えておられたと思います。
私は、これは真理だと思います。
この方程式は、業種や人種に関係ない真理を突いているのではないで
しょうか。
こうした考え方は、理想論とお感じになることもあるかもしれません。
しかしながら、理想を掲げて現実とのギャップを埋める努力をしない限り
何も変わらないのではないでしょうか。
いつまでたっても、今、目の前にある問題は解決されないと思います。
理想がなければどこにもいけません。
最後に、この方程式は、仕事だけではなく、人生にも当てはまるといい
ます。
人生という非常に不透明で、先が見通せない問題をこの極めてシンプル
な方程式で定義されたことは、われわれが、人生の行き方を考えるうえ
で、明確な指針を与えて下さったのではないかと思います。
以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。
お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。
次の第52号は、10月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか? 2.疑問点、ご意見はありますか? 3.その他、感想、希望テーマ等
差し支えない範囲で、日々お考えになっていることをご意見
くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま
すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。 ※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく
お願い申し上げます。
福祉マネジメントラボ
電話番号 046-890-0856 住所 〒238-0021 神奈川県横須賀市富士見町3-77
24/11/09
24/10/13
24/09/27
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去る8月24日の朝、稲盛和夫京セラ名誉会長がお亡くなりになりました。
「経営の神様」と称される松下幸之助を継いで、「現代の経営の神様」
とも謳われた巨星も、ついに鬼籍に入られました。
稲盛和夫師がまだ一中小企業の経営者だった若かりし頃、松下幸之助の
講演を聞いた時の話として、何かで読んだことがあります。
講演が終わった後、ある聴講者からの質問に幸之助さんが回答された場面
で、一部の聴講者からは、その回答に失笑がもれたといいます。
しかし、幸之助さんのその回答に雷に打たれたような衝撃を受けたと語って
おられた稲盛和夫師。
松下幸之助を継ぐ稀有な存在が、この国から消えてしまった喪失感を
今、多くの方がお感じになっているのではないでしょうか。
ご存じの方も多いと思いますが、稲盛さんの経営哲学に成功方程式
というものがあります。
稲盛流成功方程式:「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
この方程式に当てはめますと、能力である経験や資格がたとえ100点
であったとしても、全く覇気がなく、やる気もない熱意が0点の人なら、
結果もゼロという厳しいものになります。
ところが、能力は、そこそこの50点であったとしても、熱意が80点なら
4,000点になり、非常に大きな成果につながるというわけです。
稲盛さんは、熱意が何より大事という話の中で、ある体験を話されて
います。
京セラがまだ町工場の域を出ない中小企業だった頃、大学で基礎化学を
学んだ新卒を採用できたそうです。
小さな町工場には、四大出の新卒は、中々入ってきてくれません。
しかも院卒ですので、能力のある人材を採用できたと、当初喜んでいた
のもつかの間、その社員は、こんな研究設備では研究などできない、給料
が安すぎるなどと不平不満ばかり言って、全く成果を出せないまま、ほど
なく辞めてしまったそうです。
そういうことを何度か経験するうち、たとえ能力があったとしても、熱意が
なければ結果は出ないという、この成功方程式ができあがったといいます。
「熱意とは、思い、願望、情熱、意志と呼べるもので、全ての行動の原動力
になるものです。」と語っておられます。
ここでいう能力とは、知識や経験、資格、学歴といったものです。
本人が保有していますが、いずれも過去に獲得したものです。
われわれの業界でも、資格や経験を重視しますが、それだけで果たして
人財といえるでしょうか。
彼、彼女は資格を持っているから、雇っていればそのうち役に立ってく
れるだろう、加算が取れなくなるから辞めさせるのはもったいないと言っ
て、人罪のまま、雇い続けているケースも少なくありません。
稲盛さんが仰るように、「思い、願望、情熱、意志」といった熱意がなけ
れば、仕事の成果や組織への貢献は望めないのではないか。
私は、そのように考えています。
この会社の役に立ちたい、同僚と協調して良い仕事をしたい、会社を通し
て自分も成長したいという熱意や強い思いが根底にないと、組織の中では
仕事の成果は出せないと思うのです。
一方、「考え方」というものも大きく作用します。
仕事に対する考え方とは、「誰のために働くか、何のために働くか、自分は
どうなりたいのか」という価値観だと思います。
この価値観が、利己的で自分本位ということですと-100点ということ
もあるわけです。
能力もあり、熱意もある有能な人物でも、その考え方が自分本位や他を蹴落
としてでも、自分のためとしか考えないようでは、それだけマイナスが大き
くなり、仕事や組織に悪影響を与えることになるでしょう。
幸之助さんもあるたとえ話で、同じことを仰っています。
「ある人間に旋盤の技術を教えたとする。そして、熱意がある人間ほどその
上達は速いし、出来栄えも素晴らしいものになる。しかし、考え方が正しい
人間は、その技術と熱意を何か新しいもの、役に立つものの開発や製造に使
うが、考え方が間違っている人間は、それを金庫破りの道具として使う。」
幸之助さんは、方程式にはされませんでしたが、同じように「人生や仕事の
結果は、「考え方×熱意×能力」だと考えておられたと思います。
私は、これは真理だと思います。
この方程式は、業種や人種に関係ない真理を突いているのではないで
しょうか。
こうした考え方は、理想論とお感じになることもあるかもしれません。
しかしながら、理想を掲げて現実とのギャップを埋める努力をしない限り
何も変わらないのではないでしょうか。
いつまでたっても、今、目の前にある問題は解決されないと思います。
理想がなければどこにもいけません。
最後に、この方程式は、仕事だけではなく、人生にも当てはまるといい
ます。
人生という非常に不透明で、先が見通せない問題をこの極めてシンプル
な方程式で定義されたことは、われわれが、人生の行き方を考えるうえ
で、明確な指針を与えて下さったのではないかと思います。
以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。
お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。
次の第52号は、10月10日頃に配信致します。
1.内容は、興味がもてますか?
2.疑問点、ご意見はありますか?
3.その他、感想、希望テーマ等
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