グループワークの勧め

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2022/10/10 グループワークの勧め

皆様の施設・事業所では、仕事にグループワークを活用されていますか。

 

私は、職員研修を行う場合、必ずグループワークを入れますが、違う部署、

 

違う職種のメンバーで構成して、グループワークを行ってもらいますと、

 

他の人も同じようなことで悩んでいるんだ、といった共感や一体感が醸成

 

れることがよくあります。

 

 

日本人は、周囲の空気を気にする国民性です。これは、岸田総理が所信表明

 

演説で屋外ではマスクは必要ない言っても、相変わらず99%以上の人が、

 

屋外でマスクをしているのを見ても分かります。

 

 

現場のスタッフも周りに気を遣って、中々言い出せないことが多々ある

 

のではないでしょうか。

 

そのようなもやもやとした中、グループで話し合うことで、他の人同じ

 

ようことで悩んでいるんだ、という共感が得られることは、同じ人の

 

職員として、一体感を感じることが出来る貴重な時間になります。

 

経験上、グループワークは、職員のモチベーションを高める有効な手段で

 

もあります。

 

実際、私が行う丸一日の研修でも、どんな講義よりもグループワークが一番

 

評価が高い場合も少なくないのです。

 

 

 

ある「日本人論」について書かれた本に、次のようなことが書いてあり

 

す。

 

日本人は、「個人の責任を明確にせず、チームを組んでそれを責任単位

 

とすれば大きな力を発揮する」、一方、欧米人や中国人、韓国人といった

 

他の民族は「個々人の責任範囲明確にして、ひとり一人の評価がはっき

 

りすることで力を発揮する」。

 

             出典:「国土が日本人の謎を解く」(大石久和著)

 

欧米は、勤続年数など一切関係なく、職務基準って賃金が決まります

 

し、成果報酬型人事制度も上手くはまるようですが、こうしたこともそれ

 

表しているような気がします。

 

一方、日本では、職務基準という概念が、なかなか根付きませんし、

 

成果報酬型人事制度が失敗している例を多く目にすると、なるほど

 

と頷けます

 

 

このような国民性を考えると欧米の理論や仕組み、考え方を何でも採り入

 

れれば、日本でも上手くいく、あるいはそれに合わせなければならないと

 

いうグローバリズム信仰は、慎む必要があるのではないかと考えますが、

 

皆様どのようにお考えでしょうか

 

 

さて、「チームを組んでそれを責任単位とすれば大きな力を発揮する」

 

日本人にとって、グループワークは、何かを前に進める場合にベストな

 

手法ではなか。

 

ただし、会議もそうですが、グループワークで成果を出すためには、ちょ

 

っとした工夫が必要です。

 

私が行ってみて、一番成果が出る方法は、ブレーンストーミングとKJ法で

 

はないかと思っています。

 

ブレーンストーミングとは、あるテーマに対して、嵐のように頭の中をグル

 

グルかき回して、アイデアを出すというような意味だと思いますが、ご存じ

 

のように5~6人がグループになって、頭に浮かんだことを何でも発言して

 

いくというものです。

 

ただし、その場合、いくつかのルールがあります。

 

まず、初めに「質より量」というルールです。こんなこと言ったら笑われる

 

かな、などと質を気にして、発言が少ないことはNGで、頭に浮かんだこと

 

は、何でも発言するというのがルールの一番目です。

 

次に、「人の意見を批判しない」というルールです。批判されるとアイデア

 

出にくくなりますので、人の意見を批判することは、厳に慎むようにお互

 

が注意を払う必要があります。

 

三番目が、非現実的でも奇抜なアイデアを歓迎するというルールです。非現

 

的で奇抜な発想が、様々な発明や発見につながっていることは、周知の事

 

だからです。

 

この3つのルールの中で、全員が色々な意見を出し合うわけです。

 

しかしながら、福祉介護職員のグループワークでは、発言する人が決まって

 

いたり、声の大きな人の独演会になることが多々あります。

 

そこで、グループ全員の意見が反映されるために適した手法が、ブレーンラ

 

イティングです。

 

ブレーンライティングとは、その名の通り、各自が発言する代わりに、

 

アイデアを紙に書いていきます。

 

一人に10枚程度、ポストイットを配っておいて、一定時間内にできるだけ

 

多くの意見やアイデアを書いてもらいます。

 

そうすることで発言が苦手な方や周りに遠慮して発言を控える方の意見

 

も公平に吸い上げることが出来るようになります。

 

一人が10個の意見やアイデアを書いて、5名分集まれば50個の意見やアイ

 

デアが集まります。それを今度は、KJ法(川喜田二郎氏考案)を使って

 

同じような意見は一つにまとめて、それぞれに具体的な対策を立てていき

 

ます。

 

この方法は、初めて取組む仕事などで、なかなかアイデアが見つからない

 

場合や、何か現場で改善しなければならない時に有効です。

 

会議や委員会でも司会者が「何かありませんか?」と言うだけで、何も意見

 

が出ない、2時間の会議をやっても成果を感じられない時には、このブレー

 

ンライティングとKJ法を使ってみるのも一考ではないでしょうか。

 

今回は、職員の悩みの共有や一体感の醸成につながるグループワークに

 

ついて書いてみました。

 

以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第53号は、11月10日頃に配信致します。

 

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くださると、テーマ選定や内容を考える上での参考になりま

すので、お気軽にご返信頂けますと幸いです。
※感想やご意見は、当方の励みになりますので、是非宜しく

お願い申し上げます。

 

 

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