価値基準を合せる

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価値基準を合せる

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2022/12/14 価値基準を合せる

 

何かの事業を行うときには人を集めるわけですが、そうやって集まった

 

たちが単なる集団から本当の織になるためには、価値基準を合せる

 

必要があります。

 

合わせるべき価値基準が存在しなければ、ひとり一人バラバラの烏合の

 

衆になるのは必定でしょう。

 

福祉介護事業も、ただ単に必要な職種を集めさえすれば、組織が出来

 

がるわけではないことは、周知の事実だと思います

 

本来なら法人の理念や歴史といったブランドに共鳴して集まってくる

 

人々でその組織が構成されるのが理想だとは思います。

 

しかしながら、多職種で構成されていることや中途採用者の集まりで

 

あったりすると、一口に価値基準を合せると言っても、実際のところ

 

中々難しいものがあるのではないでしょうか。

 

 

先日、ある法人で人事考課の研修を行いました。その中である介護

 

主任の方が以下のような質問をしてくれました。

 

「時間ギリギリに来て仕事を始める職員がいるが、この行動をどう

 

評価すれば良いか」

 

私はこれに対して「施設の中での価値基準はどうなっていますか」と

 

尋ねました。

 

10分前行動が不文律になっていて、実際それが多くの職員スタッフの

 

習慣になっていれば、その行動は「不可」でしょう。

 

ところが、会議に5分、10分遅れてきても、誰も何も言わない組織なら

 

その行動をもって直ちに「不可]とすることはできないと思います。

 

 

以前私が勤めていたコンサル会社も中途採用者の集まりでした。

 

経歴も病院の事務長もいれば福祉施設の施設長もいるといったような

 

バラバラなキャリアの持ち主の集まりでした。

 

そうすると当然、そこには、合わせるべき価値基準が必要になって

 

くるわけです。

 

ところが、長年培って作られてきた個人の価値基準は、就業規則ではこう

 

なっているというような手続き論やルールで簡単に変えられるようなもの

 

はありません。

 

マインドセット、つまり考え方自体を合わせていくことが必要になります。

 

私はその会社の管理職をしていた時、月1回、部下スタッフ達に価値基準

 

合わせのための文章を送っていました。

 

ここにその一部を原文のままご紹介したいと思います(以下引用)。

 

今月のテーマは「経営コンサルは、対人サービス業である」です。

 

我々コンサルには、差し出せば決まった価格で買ってくれる規格品の

 

商品はありません。規格品の商品を売り歩くセールスマンではないのです。

 

人々は豪華なディナーにお金を払いますが、豪華なディナーの場合、

 

店のブランド、雰囲気、接客、料理そのもの、価格が一体となって

 

初めてお客様は満足するわけです。

 

一方、我々は、お客様の好み・注文(ニーズ)をしっかり聞く力、その

 

好みや注文に合わせた料理(コンサルティング)を作り出す力、そして

 

作り出した料理を気持ちよく食べてもらい(接客)、満足してお金を

 

払ってもらう所まで全てがコンサルの仕事になります。

 

この総合力が重要です。この総合力とは、人間力にほかなりません。

 

仕事の成果は、「考え方 × 熱意 × 能力」で表すことができる

 

と言われています。

 

たとえ能力(机上の理論・学歴・資格)を100持っていたとしても

 

コンサルとしてクライアントの悩みをどうしても解決してあげたいと

 

いう熱意がなければ=0であった場合、または、考え方が不良であった

 

場合(プライベート優先、自分基準優先等)、何も成果を生まないという

 

ことです。あくまでも3つの要素の掛け算です。

 

 

ここでいう価値基準とは、掛け算の最初の要素である考え方です。

 

仕事に対する考え方です。仕事をどう捉えているのか、仕事はだれ

 

のためにやるのか、クライアントからお金をもらうということ

 

どういうことなのか、その際クライアントと会社との優先順位は

 

どうあるべきなのか等です。

 

こうした考え方の基準が揃えば、ある程度成果・質の担保は保証できると

 

考えられます。

 

【最近目につく行動】

 

  • 〇事務所で必要以上の大声での会話。
  • 〇廊下での長々とした立ち話。
  • 〇席を立つとき、自分のいすを出しっ放しで席を立つ行為
  • 〇人が聞こえないような声での発言。
  • 〇会議中や研修中に隣の人間とこそこそ会話する。

 

こうした日頃の行動がクライアントに対しても必ず出ます。

 

相手は、100人以上、場合によっては数千人の部下を持っている

 

経営者です。その辺の人間性の底が見破れない訳がないのです。

 

上記のようなことを普段しているような人間がコンサルとして

 

来た所で、果たして真剣に話を聞く気になれるでしょうか。

 

いくら立派な商品(道具)を持っていたとしても何の役にも立た

 

ないでしょう。人間として信頼してもらえないわけですから

 

【合わせるべき価値基準】

●人間力を磨くこと。

●人の批判ばかりしないで自分を見つめること。

●会社が何もやってくれないから自分は成長できないと言い訳ばかり言わないこと。

●お客を怖がらないこと。お客に正面から立ち向かえること。

●知らないことを笑って誤魔化さないこと。

●うそをつかないこと。

●感情を垂れ流ししないこと。

●会社に来たら、自分の家だけで通じる価値観を捨て去ること。

●公式に発言し、公式に振舞うこと。

 

 

 

例え、等級が上であろうが下であろうが、役職者であろうがなかろうが

 

このバリュー(価値基準)をしっかり守っている社員が尊重される、

 

安心して会社にいられるようにみんなで注意し合える風土を目指しま

 

しょう。以上

 

読者の皆様にはレベルが低いように感じられるかもしれませんが、

 

価値基準に基づくこうした基本行動が組織を健全に保つうえで本当に

 

大事になると思っています。

 

また、「コンサルは対人サービス業である」ということは、そのまま

 

福祉介護事業にも当てはまるのではないでしょうか。

 

今回は、「価値基準を合せる」というテーマで書いてみました。

以上、皆様の何かのご参考になれば、誠に幸いです。

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

次の第55号は、来年1月10日頃に配信致します。

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