「権限委譲」

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「権限委譲」

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2020/03/14 「権限委譲」

こんにちは。

 

福祉マネジメントラボの大坪信喜です。

 

全国的な新型コロナの流行で、連日マスコミでは都道府県別の感染者数を発表

 

していますが、私が住んでいます横須賀市では、まだ1件も感染が報告されて

 

いません。

 

私は、毎日3回の検温と外出から帰ってきた際の手洗いとうがいを励行して

 

います。

 

みなさまもどうぞお気を付けてお過ごし下さいますようお祈り致しております。

 

 

 

さて、今月も皆様とのご縁に感謝してメルマガをお送り致します。

 

 

 

「福祉介護事業の経営者・施設長のためのメルマガ通信」第21

 

 

今回は権限委譲について考えてみます。

 

権限委譲が進んでいる施設は少ないようです。

 

権限委譲が進まない多くの施設では、文鎮型組織になっています。

 

文鎮型組織とは、一人の意志決定者の下にその他大勢が並んで居る

 

だけの状態を指します。

 

ただ一人の社長や施設長といった経営トップが何でも指示して、

 

何にでも首を突っ込んで、下は言われたことだけをやっている

 

というような組織です。

 

たとえ、部長や課長といった役職者を配置していても機能して

 

いません。組織図は形だけのものになっています。

 

このような組織では、職員スタッフは、ほとんどが傍観者です。

 

自分の施設、会社で起こる様々なことが自分事ではありません。

 

「おかしいと思ったら、なんで職員同士で話をしないのか」と

 

言ってみても仕方が無いことです。

 

指示命令されることに慣れてしまっているから、いつの間にか

 

そうなってしまったのです。

 

一人の経営トップが全てを握って離さないのに、下が育たないと

 

嘆いています。下が育っていないのではないのです。権限委譲

 

しないから育たないのです。

 

介護保険や障害者総合支援法といった制度で、決められた職種

 

を集めて職員配置基準を満たせば運営はできますが、経営はでき

 

ません。権限委譲を通して人材育成をしていかなければ、たとえ

 

施設であっても近い将来、経営の持続は困難になるでしょう。

 

介護施設や障害者施設、保育所は国の制度に守られている部分が

 

ありますので一般企業ほど激烈ではありませんが、下を育てない

 

限り確実に衰退へと向かっていきます。

 

全てではないにしても、権限委譲できず、下が育たない施設や法人

 

が今、倒産や廃業という形になって表れているのではないでしょうか。

 

権限委譲を通して、意識的に職員スタッフを巻き込んで、会社組織を

 

動かしていく必要があります。

 

私が知っているある特養の施設長は、何から何まで自分で指示する

 

ことはしません。部下スタッフが聞いてくると、その仕事の目的や

 

背景は教えますが、答えは教えません。

 

「ああせい、こうせい。」といった指示もしません。

 

こういう目的で、こういう考え方をして自分で考えてみなさいと言います。

 

そして3案ほど考えたら、また私の所に持ってきなさいと指示します。

 

その時点で答えは持っていますが、決してそのまま指示することはありません。

 

そのようにして、自分で考えさせて育てているのです。

 

たとえ最後は、その施設長が決めたとしても部下は自分の案が取り上げられた

 

結果の決定ですから、その仕事に最後まで責任と当事者意識を持ってくれます。

 

その施設長は、施設の理想の姿を明確に持っています。

 

施設長が、たとえ一日施設の掃除をしていても稼働率も安定し、

 

重大な事故もなく、離職も抑えられている施設が理想だと考えています。

 

ですから、何から何まで自分で指示するようなことはありません。

 

これこそが正に「権限委譲」というものではないでしょうか。

 

これには、非常に手間と時間が掛かります。

 

自分が「ああせい、こうせい。」と指示する方がどれだけ楽か分かりません。

 

でも、その手間と時間を惜しんでいたら人は育てられないのです。

 

 

また、権限委譲と丸投げをはき違えている人がいますが、権限委譲と丸投げ

 

とは全く異なるものです。丸投げとは、自分では何も考えないでそのまま

 

下に振って、何もしないということです。当然責任も取りません。あなたに

 

任せたんだから、何かあったらあなたの責任だという全くもって都合の良い

 

立場を作り上げてしまうものです。

 

ただ丸投げも悪いことばかりではありません。丸投げする当人の存在価値は

 

ありませんが、丸投げされた下の人間が優秀ならそれで下が育っていきます。

 

実際、そういうケースもしばしば目にします。

 

ただ、あくまでも下の人間が優秀で当事者意識が強い場合に限られます。

 

一番いけないのは、全部自分だけで握って、権限委譲も丸投げもしない

 

ことです。この件は常務に任せたと言っておきながら、社長が一つ一つ

 

覆していたら権限委譲は進みません。

 

本当に心から任せるという決心をして、後は任せるしかないように思います。

 

同時に権限委譲が進むような仕組みを作ることも大事です。

 

1万円のお金を使うのも社長決裁が必要な仕組みであれば、いくら権限委譲

 

すると言ってみた所で権限委譲は進みません。

 

権限が一人の経営者や施設長に集中するような組織図は見直す必要がある

 

でしょう。また、若手の抜擢人事も必要でしょう。

 

経営トップが意識的に権限委譲することと、組織図や人事、決裁権限など

 

の仕組みを整備することで、職員スタッフを巻き込んで、施設や会社で

 

起こる日々の出来事を我が事と考えられるようなスタッフをたくさん

 

育成していくことが経営の持続に欠かせないと思います。

 

 

以上、何かのご参考になれば誠に幸いです。

 

お忙しい中、最後までお読み下さり、有難うございました。

 

次の第22号は410日頃に配信致します。

 

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福祉マネジメントラボ

代表  大坪 信喜

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